Shopify運用・集客の完全ガイド|「作ったのに売れない」を解決する全体設計

Shopify運用・集客の完全ガイド|「作ったのに売れない」を解決する全体設計
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広告予算を増やしたら、アクセス数は確かに伸びた。しかし、売上は思ったほど変わらない。Shopifyを運営していると、こうした場面にぶつかることがあります。

売上は、集客の量だけで決まるわけではありません。サイトに来た人がどれだけ買い、いくら使い、また戻ってくるか。その積み重ねで決まります。整理すると、売上は集客(流入を増やす)・接客(買ってもらい、単価を上げる)・追客(また買ってもらう)の3段でできています。さらにこの3段を測って直し続ける運用が、全体を回し続けます。

このガイドは、各施策の手順書ではありません。自社の売上がいまどの段で漏れているのかを見つけ、次に手をつける領域へ進むための地図です。集客チャネルの選び方、接客での取りこぼし対策、リピートの仕組み化、運用の回し方まで、順に概観していきます。まずは、集客を増やしても売上が頭打ちになる仕組みから見ていきましょう。

1.Shopifyの売上は、集客・接客・追客で決まる

Shopify運用の売上を集客接客追客で分解する分析グラフのイメージ

Shopifyの売上は、ひとつの数字では動きません。サイトに来た人の数、そのうち買ってくれた割合、一人あたりの購入額、そして再び戻ってくる割合。これらが積み重なって、月末の売上になります。

1-1. 集客施策だけでは売上が頭打ちになる仕組み

流入を増やしても、買ってくれる割合・一人あたりの購入額・再購入の割合のどれかが低いままだと、増やしたアクセスの大半は売上に変わりません。集客はあくまで入り口で、その先で取りこぼせば、広告費を足すほど効率が落ちていきます。

売上は、来訪数だけで決まるのではなく、来訪数とその後のいくつかの割合の掛け算で決まります。たとえば、月1万人が訪れて1%が買い、平均6,000円使うストアなら、売上は60万円です。ここで広告を倍にして来訪を2万人にしても、買う割合が0.5%に下がれば売上は60万円のまま。入り口を広げた効果が、その先の漏れに吸収されてしまうわけです。

広告を強化した直後はアクセスもカート投入も増えるため、手応えを感じやすい局面です。ところが会計まで進む人の割合が変わらなければ、増えた来訪の多くは商品ページやカートで止まったまま離脱します。集客の数字だけを見ていると、この「途中で止まっている層」が見えにくくなります。

漏れが起きる場所は、おおむね3つに分かれます。

・商品ページやカートの手前で離れる(買う割合が上がらない)

・一度きりの購入で終わり、単価も上がらない(一人あたりの売上が伸びない)

・二度目が来ない(同じ顧客から繰り返し売上が立たない)

このうちどこが弱いかによって、次に打つべき手はまったく変わります。流入を増やす施策は、その先の受け皿ができて初めて売上に効きます。まずは、自社がどの割合で取りこぼしているのかを数字で押さえることが出発点になります

1-2. 売上を決める4つの指標(CVR・客単価・リピート率・LTV)

売上は、流入・CVR・客単価・リピートという4つのレバーで決まります。ある期間の売上は、流入 × CVR × 客単価、つまり「何人来て、何割が買い、いくら使ったか」の掛け算です。これにリピートが加わると、同じ顧客が次の期間にもう一度買い、売上が期をまたいで積み上がっていきます。CVR・客単価・リピート率の3つを引き上げ、その積み上がりをLTV(顧客一人が生涯にもたらす売上)で確かめる。これが、このガイド全体で使う共通のものさしです。

4つのレバーは、施策がどこに効くのかを切り分けるために使います。

・流入:何人がサイトに来たか(集客が担う)

・CVR:来た人のうち何割が買ったか(接客が担う)

・客単価:一人がいくら使ったか(接客が担う)

・リピート率:買った人が再び買ったか(追客が担う)

3段(集客・接客・追客)は、この4レバーに対応しています。集客は流入を、接客はCVRと客単価を、追客はリピート率を動かす役割です。

ある期間の売上は掛け算である以上、最も低いレバーが全体の足を引っ張ります。流入を2倍にしても、CVRが半分なら売上は変わりません。逆に、CVRを1%から1.5%へ上げるだけで、同じ流入のまま売上は1.5倍になります。どこか1つだけを追っても全体は動かない、というのが掛け算構造の要点です。

LTVは、この4レバーとは少し性格が異なります。客単価とリピートが積み上がった結果を、顧客一人あたりの生涯売上として見る統合指標です。CVRや客単価が「一回の買い物」を測るのに対し、LTVは「その顧客と続く関係全体」を測ります。新規獲得にいくらまでかけられるかは、最終的にこのLTVが決めます。

1-3. 集客・接客・追客のどこに弱点があるかを診断する

自社の弱点は、4レバーの数値を順に並べ、どれが水準より低いかを見れば浮かび上がります。感覚で「集客が足りない」と決める前に、まず数字で止まっている場所を特定します。

各レバーの数値は、Shopifyの管理画面左メニューにある「ストア分析」で確認できます。来訪数や流入元はダッシュボードと集客レポート、CVRや客単価は販売レポートで追えます。リピートの状況は、初回顧客とリピーターを比較するレポートやコホート分析で詳しく見られますが、これらは上位プランで使えるレポートです。エントリープランの場合は、注文データから再購入した顧客の割合を手元で出す形になります。流入元をより細かく見たい場合はGA4も併用できますが、ストア分析とGA4は集計の仕組みが違うため数値は完全には一致しません。どちらかが誤りというわけではないので、片方を基準に決めて継続的に見るのが現実的です。

数字を並べると、つまずきの型が見えてきます。

・流入は多いがCVRが低い:来訪はあるのに会計まで進まない。接客(商品ページ・カート・回遊)に伸びしろ

・初回は取れるがリピート率が低い:新規は買うが二度目が来ない。追客に伸びしろ

・CVRもリピートも悪くないが客単価が低い:一回の購入額が小さい。セット販売や送料無料ラインに伸びしろ

どの型かによって、開くべき章が変わります。流入が弱ければ集客の章へ、CVRや客単価が弱ければ接客の章へ、リピートが弱ければ追客の章へ進む、という読み方ができます。

手をつける順番は、最も大きく取りこぼしている段からです。来訪が多いのにCVRが低いストアなら、流入をさらに増やすより、まず取りこぼしを塞ぐほうが売上に効きます。どの段から直すかが決まれば、次はその段の中で何から手をつけるかになります。の入り口である集客から見ていきます。

2.広告・SEO・コンテンツ・SNS、即効性と資産性で使い分ける

EC集客のチャネルを広告SEOコンテンツSNSで使い分けるマーケティング戦略のイメージ

集客チャネルは、媒体で見ると広告・SEO・コンテンツ・SNSの4つに分けられます。ただしこれらは、「お金を払って流入を買う(広告)」か「コンテンツを積んで流入を育てる(オーガニック)」かという軸でも分かれ、SNSはこの両方にまたがります。SNS広告は前者、日々の投稿は後者です。

2-1. チャネル別の特性|即効性・資産性・コストで分かれる

4つのチャネルは、すぐ効くが止めると流入も止まる「即効型」と、立ち上がりは遅いが積み上がって流入が残る「資産型」に分かれます。広告は即効型、SEOとコンテンツは資産型、SNSはその両面を持ちます。どこから手をつけるかは、この性格の違いを押さえてから決めます。

それぞれの位置づけを並べると、違いがはっきりします。

広告は、出稿すればその日から数字が動くため、立ち上げ期や在庫を早くさばきたい場面で頼りになります。ただし、出稿を止めれば流入もほぼ同時に止まります。一方でSEOやコンテンツは、公開してすぐには読まれません。検索で見つかるまで数ヶ月かかることもありますが、いったん上位に入れば、広告費をかけずに流入が続きます。同じ「集客」でも、お金で買う流入と、時間をかけて積む流入では、効き方もコストのかかり方も別物です

SNSは、この両方の性格を持つのが特徴です。SNS広告は広告の仲間で即効型、日々の投稿は資産型に近く、フォロワーや過去投稿が積み上がるほど、お金をかけずに届く範囲が広がります。InstagramやTikTokのように、商品を見せて自社サイトへ送客する導線も整ってきていますが、各プラットフォームの連携仕様は変わりやすいため、運用に入る前に最新の状態を確認するのが安全です。

即効型は「今すぐの流入」を、資産型は「将来の流入の土台」を買っていると言い換えられます。どちらが優れているという話ではなく、自社がいまどちらを必要としているかで選ぶものです。

2-2. 着手順|事業フェーズ・予算・リソースで決める

どのチャネルから始めるかは、「今すぐ売上が必要か」「記事や投稿を作る人がいるか」「広告予算を払い続けられるか」の3点で決まります。立ち上げ期は即効型の広告に寄せ、運営が安定するにつれて資産型へ重心を移していくのが基本の流れです。

立ち上げたばかりのストアには、まだ資産がありません。検索で見つかる記事もなければ、フォロワーもいない。この段階で資産型だけに賭けると、流入が立つまでの数ヶ月を売上ゼロで耐えることになります。だからまず広告で初速をつくり、その間に資産型を育てる、という順番になりやすいわけです。

ただし、広告から始めるべきとは限りません。判断は自社の条件で変わります。

・広告予算を継続的に確保できない場合:早い段階からSEO・コンテンツに着手し、流入の土台を作っておく

・社内に書ける人・撮れる人がいる場合:資産型の現実味が増す。外部に出さず内製で積める

・書く人も撮る人もいない場合:資産型は絵に描いた餅になりやすく、広告や外注を前提に組む

つまり、潤沢な広告予算があるストアと、予算は限られるが社内に書き手がいるストアでは、最初の一手が変わります。前者は広告で一気に初速をつけてから資産型へ、後者は広告を絞りつつコンテンツを早めに仕込む、という置き方になります。

月商が小さく、まず売上の実感が欲しい立ち上げ期のストアなら、広告から入って反応を見るのが現実的です。すでに一定の売上があり、広告費の伸びに頭打ちを感じ始めた段階なら、資産型への投資が次の伸びしろになります。自社がどちらの局面にいるかを見極めることが、着手順を決める起点です

2-3. 併用設計|広告で初速、SEO・コンテンツ・SNSで資産化

広告とSEO・コンテンツ・SNSは、どちらかを選ぶものではなく、役割を分けて同時に回すものです。広告で初速をつくっている間に資産型を育て、資産型の流入が立ち上がったら広告への依存を下げていく。この乗り換えの設計が、獲得コストを長期で下げます。

広告と資産型を同時に走らせる利点は、時間の使い方にあります。資産型は成果が出るまで数ヶ月かかりますが、その空白を広告が埋めます。そして資産型が育つほど、同じ売上を広告費なしで立てられるようになり、広告は「足りない分を補う」役割に縮小していきます。

同時に回すと、広告で得たデータが資産型の材料になります。広告を出すと、どの商品が売れるか、どんな訴求が刺さるかが短期間で見えてきます。その「売れる商品」「響く言葉」を、SEO記事のテーマやSNS投稿のネタに流用すれば、資産型の立ち上がりが速くなります。広告は流入を買うだけでなく、何が当たるかを早く知るための調査にもなるわけです。

SNSのオーガニック投稿も、この資産化の一翼を担います。投稿が積み上がり、フォロワーとの接点が増えるほど、広告に頼らず届く範囲が広がります。即効の広告と、資産のSNS投稿を並行させることで、短期の流入と長期の土台を同時に作れます。

広告費を下げる判断は、資産型の流入が安定してからです。検索やSNSからの流入が読めるようになった月を境に、広告予算を段階的に絞り、浮いた分を資産型の制作に回す。この入れ替えが進むほど、ストア全体の獲得コストは下がっていきます

広告は立ち上げ期の流入確保とデータ収集、資産型は長期的な流入基盤の構築と、役割を分けて同時に運用するのが併用の要点です 立ち上げ期は広告の比重を高く、安定するにつれて資産型へ重心を移す。この移行を計画的に進められるかどうかが、広告依存から抜け出せるストアと、出稿を止めると売上が落ちるストアの分かれ目になります。

3.接客で取りこぼしを防ぎ、客単価を上げる

接客でCVRと客単価を高めるためのカートと購入画面のイメージ

集客でサイトに来てもらった後、売上を左右するのが接客です。接客には2つの役割があります。来た人を取りこぼさずに買ってもらうこと(CVRを上げる)と、買ってくれる人の購入額を引き上げること(客単価を上げる)。

3-1. 取りこぼしを防ぐ|商品ページ・カゴ落ち・回遊

来訪者は、会計にたどり着くまでのあちこちで離れていきます。その離脱を、商品ページ・カゴ落ち・回遊の3か所で塞ぐと、同じ流入のままでもCVRが上がります。

離脱が起きやすい場所は、おおまかに決まっています。商品ページで「情報が足りずに不安が残る」、カート手前で「送料が思ったより高い」、サイト内で「探している商品にたどり着けない」。この3つが、取りこぼしの大半を占めます

商品ページは、買うかどうかを決める最後の判断材料がそろう場所です。写真が少ない、サイズや素材の記載がない、送料がいくらか分からないといった不足があると、来訪者は確信が持てないまま離れます。ここを埋めるだけでも、買う割合は動きます。

カゴ落ちは、カートに入れたのに購入を完了しなかった離脱を指します。Shopifyには、こうした離脱者へ自動でリマインドメールを送る機能が標準で備わっています。標準では基本的に1通ですが、それだけでも一定の取り戻しが見込めます。複数回に分けて送ったり、メール以外の経路で追いかけたりするには、専用のアプリを足す形になります。

回遊は、来訪者がサイト内で目当ての商品にたどり着けるかという問題です。検索しても出てこない、関連商品が見当たらないとなると、買う前に離れてしまいます。Shopifyの標準検索に加え、無料の公式アプリで検索の精度を上げられますが、回遊の作り込みは商品数やサイト構成によって最適解が変わるため、ここでは深追いしません。商品ページ改善や回遊設計の具体策は、それぞれの専門記事(現在制作中のため完成次第で公開予定)に譲ります。

3か所のうちどこで最も漏れているかは、ストアによって異なります。商品ページで止まっているのか、カート手前で離れているのか、そもそも商品にたどり着けていないのか。まずストア分析で離脱箇所を特定したうえで、対策の優先順位を決めてください。

3-2. 客単価を上げる|セット販売・送料無料ライン・アップセル

一人あたりの購入額は、セット販売・送料無料ライン・アップセルの3つで引き上げられます。新しい来訪者を増やさなくても、すでに買ってくれる人の単価を上げれば、売上は伸びます。

客単価を上げる方法は、大きく「点数を増やす」か「単価の高いものを選んでもらう」かに分かれます。セット販売とアップセルは前者と後者、送料無料ラインは「あと一品」を後押しする仕掛けです。

セット販売は、関連する商品をまとめて提案し、単品より少しお得に見せる手法です。スキンケアの化粧水と乳液をセットにする、といった組み合わせが典型です。1回の注文点数が自然に増えます。

送料無料ラインは、「○○円以上で送料無料」という基準です。あと少しで無料になると分かると、もう一品足す動機が生まれます。Shopifyでは送料無料の条件設定そのものは標準でできますが、「あと500円で送料無料」と進捗を見せるバー表示はアプリで足すのが一般的です。

アップセルは、検討中の商品より上位のモデルや、関連商品を勧める手法です。カートやサンキューページで「よく一緒に買われている商品」を出すのが代表例です。関連商品のおすすめ表示は公式の無料アプリでも始められますが、購入直前のオファーや細かい出し分けまで作り込むなら、専用アプリを使います。

ただし、やりすぎは逆効果です。提案を詰め込みすぎると、押し売りに感じられて、かえって購入をためらわせます。客単価を狙った施策が、取りこぼし(CVR)を増やしてしまっては本末転倒です。各施策の設定手順や見せ方の作り込みは、専門記事(現在制作中のため完成次第で公開予定)で詳しく扱います。

3つの施策は、どれも「すでに買う気のある人」に効きます。だからこそ、新規の獲得コストをかけずに売上を伸ばせる領域です。自社の商品構成に、まとめ買いや上位提案の余地がどれだけあるか。そこに伸びしろが眠っています。

3-3. 施策を直す順番|数値で大きい漏れ・伸びしろから

取りこぼし対策も客単価対策も、思いついた順に手をつけると効率が悪くなります。同じ手間をかけても、どこに当てるかで売上の動き方は大きく変わるからです。だから着手の前に、効く場所を数値で見つけます。

判断の物差しは2つあります。1つは漏れの絶対量、つまり「離脱率 × そこを通る人数」です。離脱率が同じでも、通る人数が多い場所のほうが、直したときの売上インパクトは大きくなります。もう1つは伸びしろ、つまり現状の数値が一般的な水準からどれだけ離れているかです。

たとえば、商品ページの離脱率が高くても、そのページを見る人がごく少なければ、直しても全体の売上はあまり動きません。逆に、多くの人が通るカート手前で離脱が起きていれば、わずかな改善でも効果は大きく出ます。だから「率が悪い場所」ではなく「率が悪く、かつ人が多く通る場所」から手をつけます

CVRと客単価のどちらを先に触るかも、同じ考え方です。来訪は多いのに買う割合が低いなら、まず取りこぼしを塞ぐ。買う割合は悪くないのに単価が低いなら、客単価の施策を先に回す。小さな改善をいくつも並べるより、最も大きい漏れを1つ直すほうが、限られた手間で売上を動かせます。

ここで決めるのは、あくまで接客の中での着手順です。施策を入れた後にそれを数値で評価し、続けるか止めるかを判断する運用の話は、後半の章で別に扱います。自社のCVRと客単価を並べたとき、どこが最も大きく漏れているか。そこから着手すれば、同じ手間でも売上の動きが大きくなります。

4.利益を残すなら、新規獲得よりリピート率を上げる

リピート率を高めて利益を残すための再購入と顧客継続のイメージ

ここまでの集客と接客は、主に新しい顧客に買ってもらうための話でした。最後の追客は、一度買ってくれた人にもう一度買ってもらう取り組みです。新規を追い続けるより、すでに買ってくれた人を呼び戻すほうが、利益は残りやすくなります。

4-1. 最初の壁は、2回目の購入にある

初回に買ってくれた人の多くは、2回目を買わずに離れていきます。一度きりの顧客が積み重なるほど、新規を追い続けなければ売上を保てなくなります。ここを越えられるかどうかが、リピートで売上が積み上がるかどうかを決めます。

新規顧客の獲得には、広告費という形でコストがかかります。一方、すでに買ってくれた人にもう一度買ってもらうのに、新たな獲得コストはかかりません。同じ売上でも、リピートで立てたほうが手元に残る利益は大きくなります。だからこそ、初回客を2回目につなげられるかが、利益率に直結します

初回から2回目で離脱が大きくなるのには、理由があります。多くの初回客は、店のことをまだ覚えていません。良い買い物だったとしても、日が経てば忘れ、次に何かが欲しくなったときには別の店で買ってしまう。商品やサービスへの不満ではなく、単に思い出されないまま離れていく。これはよくあるパターンです。

もう一つは、2回目に買う理由がないことです。一度ほしかったものを手に入れた後、同じ店で再び買う動機がなければ、来訪は途切れます。逆に言えば、思い出してもらう接点と、戻ってくる理由をつくれれば、2回目の壁は越えられます。

2回目を取るための打ち手は、購入後の案内と、戻るきっかけづくりに集約されます。初回客がまだ店を覚えているうちに次の接点を持ち、再訪の理由を渡す。この設計があるかどうかで、リピート率は大きく変わります。具体的にどう仕組み化するかを、次に見ていきます。

4-2. リピート継続の仕組み化|CRM・LINE・ポイントで関係を続ける

2回目以降の購入は、担当者が一人ずつ声をかけて生まれるものではありません。CRM・LINE・ポイントといった仕組みに落とし込み、「忘れられない接点」と「もう一度買う動機」を自動で生み出すことで、リピートは継続的に積み上がります。

3つは、それぞれ別の役割を担います。CRMは購入履歴に応じた案内を、LINEは反応の取りやすい接点を、ポイントは戻ってくる動機を提供します。どれか一つというより、顧客との接点が太いものから順に組んでいくのが現実的です。

CRMは、購入後のフォローを自動化する仕組みです。初回購入から数日後に使い方の案内を送る、一定期間が空いた顧客に再購入を促す、といったシナリオを組めます。Shopifyの標準でも基本的な顧客管理はできますが、購入履歴に応じた細かい出し分けには、専用のアプリや外部ツールを足すのが一般的です。

LINEは、日本では特に反応が取りやすい接点です。メールは開かれないことも多い一方、LINEは届いたメッセージに目を通してもらいやすい。Shopify単体ではLINE公式アカウントと連携できないため、連携アプリを通じて、購入者への発送通知やセグメント配信、友だち追加の導線づくりを行います。

ポイントや会員ランクは、戻ってくる理由そのものをつくる仕組みです。次回使えるポイントがあれば再訪の動機になり、ランクが上がる仕組みは継続利用を後押しします。これも標準機能にはなく、アプリで導入します。

どれから入るかは、自社の顧客がどの接点に反応しやすいかで決まります。LINEの友だちが集まりやすい商材ならLINEから、購入頻度で差をつけたいならポイントから。設定手順や配信シナリオの作り込みは、専門記事(現在制作中のため完成次第で公開予定)で詳しく扱います。

5.計測と改善のサイクルで、Shopify運用を継続的に回す

Shopify運用を計測と改善のサイクルで回すダッシュボードのイメージ

集客・接客・追客の3段は、一度作って終わりではありません。数値を見て、施策を直し、また見る。この循環を回し続けることで、3段それぞれが育っていきます。運用は4つ目の段ではなく、3段全体を回し続ける土台です。

5-1. 優先する運用指標の絞り方|追いすぎると改善が止まる理由

ストア分析を開くと、数十の数字が並びます。これを全部追おうとすると、どれが大事かの判断がつかなくなり、かえって改善が止まります。日常的に見る指標は、3段それぞれで1つずつに絞るのが、手を動かし続けるコツです。

指標が多すぎると、2つの問題が起きます。一つは、どの数字が悪いと何が問題なのかの優先順位がつかなくなること。もう一つは、全部を見ること自体が目的化して、改善のための行動に移れなくなることです。数字を眺める時間が増えるほど、施策を打つ時間は減っていきます。

そこで、集客・接客・追客の3段それぞれに、主に追う指標を1つ決めます。集客なら流入数か獲得単価、接客ならCVRか客単価、追客ならリピート率。どれを選ぶかは、自社がいまどの段に課題を感じているかで変わります。3つに絞れば、毎週見るべき数字が明確になり、悪化したときにどこを直せばいいかもすぐ分かります。

絞った指標は、固定したままにしません。課題が移れば、追う指標も入れ替えます。接客の取りこぼしが片付いたら、次はリピート率に注意を移す、というように、その時々のボトルネックに合わせて見る対象を変えていきます。

全部を浅く見るより、3つを深く追うほうが、改善は前に進みます。どの数字を見るかを決めることは、どの数字を当面見ないと決めることでもあります。自社の3段のうち、いま最も伸びしろのある段はどこか。その指標を一つ選ぶだけで、毎週見る数字は定まります。

5-2. 改善の回し方|施策を数値で評価し、継続・廃止を判断する

施策は、入れたら入れっぱなしにしないことが肝心です。一定期間ごとに数値で効果を測り、効いているものは続け、効かないものは止めて次に回す。この判断を繰り返すことで、限られた手間を効く施策に集中させられます。

施策を打つときは、何の数字がどう動けば成功かを、始める前に決めておきます。これを決めずに始めると、後から「効いたのか効かなかったのか」が判断できず、効果を確認しないまま継続してしまいます。評価の基準を先に置くことが、回せる運用の前提になります。

判断の難しさは、止めるときに出ます。手間をかけて導入した施策ほど、効いていなくても「もう少し様子を見よう」と続けたくなります。これまでかけたコストは戻らないのに、それを惜しんで判断が鈍ることがあります。だからこそ、続ける・改善する・止めるの基準を、一定期間と数値の閾値であらかじめ決めておくと、感情に流されずに判断できます。

回す頻度は、指標によって変えます。日々動く流入や広告の数字は週次で、リピート率のようにゆっくり動く数字は月次で、といった具合です。すべてを同じ周期で見る必要はありません。

ここで扱うのは、施策全般を数値で評価し、続けるか止めるかを判断する運用のリズムです。効く施策を見極めて残し、効かないものを手放す。この循環の速さと正確さが、3段を育てていく力になります。

5-3. Shopify運用体制の選び方|内製・外注の判断基準

ここまでの計測と改善を、誰が回すのか。内製と外注の選択は、社内のリソース・専門スキル・そして回し続けられるかで決まります。一時的に頑張れても継続できないなら、外注を視野に入れたほうが現実的です。

運用は、単発の作業ではなく続ける営みです。担当者が他業務と兼任で、毎月の計測も施策の見直しも手が回らない状態では、せっかく作った3段が放置されます。回し続けられる体制があるかどうかが、内製と外注を分ける最初の問いになります。

内製と外注には、それぞれ向く場面があります。

・内製が向く:自社の商品や顧客を深く理解しており、細かい改善を継続的に重ねたい。社内に手を動かせる人がいる

・外注が向く:社内のリソースが足りない、広告運用やSEOなど専門性の高い領域を任せたい、立ち上げを早く進めたい

・両方を組み合わせる:戦略や意思決定は社内に残し、実行の一部を外部に任せる、といった分担も選べる

すべてを内製で抱えると属人化しやすく、担当者が抜けた途端に運用が止まるリスクがあります。逆にすべてを外注すると、自社にノウハウが残りにくい。どこを自社で持ち、どこを任せるかは、続けられる範囲から逆算して決めるのが現実的です。体制づくりの具体的な進め方や外注先の選び方は、専門記事で詳しく扱います。

参考記事:ECサイトの作り方|初心者が失敗しないための手順と選択肢https://rabo.co.jp/blog/shopify/ec-site-build

判断に迷う場合は、まず現状の体制で計測と改善を1サイクル回してみて、無理なく続けられそうかを見てから決める手もあります。回し切れないと感じたら、その時点で外部の力を借りる選択肢を検討すればよいでしょう。

体制選びの軸は、能力よりも継続性です。回し続けられる形を選ぶこと。内製でも外注でも、3段を止めずに回せる体制が組めているかどうかが、運用の成否を決めます。

6.まとめ

Shopify運用の集客接客追客の全体像を振り返るまとめのイメージ

Shopifyの売上は、集客で人を集め、接客で取りこぼさず単価を上げ、追客でもう一度買ってもらう。この3段と、それを数値で回し続ける運用で決まります。大事なのは、どこか一段だけを頑張ることではなく、自社が今どの段で漏れているかを見極め、伸びしろの大きいところから手をつけることです。

集客チャネルの選び方、接客での取りこぼし対策と客単価アップ、リピートの仕組み化、運用の回し方。それぞれの具体的な進め方は、各テーマの記事で詳しく扱っています。自社の弱点に当たる領域から読み進めてみてください。

どこから手をつけるか迷う場合は、現状の数値をもとに弱点の特定からご支援します。まずは下記のお問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

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