ECサイトの作り方|初心者が失敗しないための手順と選択肢

ECサイトの作り方|初心者が失敗しないための手順と選択肢
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ECサイトを作ろうと調べ始めると、Shopify、楽天市場、BASEと方法がいくつも出てきて、どれが自分に合うのか分からなくなります。料金やデザインを比べているだけで、時間が過ぎていきます。ただ、すぐに手を動かす前に決めておくと、迷う時間が減ることがいくつかあります。予算の上限、目指す売上規模、そして何を売るか。この3つが固まると、たくさんある選択肢は自然に絞り込めますし、開設後のつまずきも減ります。この記事では、ECサイトの作り方を3タイプに分けて選び方を整理し、続いてShopifyを例に登録から公開までの手順を順番に説明します。最後に、初心者がはまりやすい失敗とその防ぎ方もまとめました。読み終えるころには、自分が次に何を決め、どう進めればいいかが見えているはずです。

1.作り方を選ぶ前に、売るもの・予算・規模を決める

ECサイトの作り方を始める前に予算と規模を書き出すノートとメモのイメージ

作り方をいきなり比べ始めると、料金やデザインの違いに目を奪われて、自分にとって何が必要なのかを見失いがちです。先に自分の側の条件を固めておくほうが、同じ比較表を見ても判断が速くなります。ここでは、作り方選びの土台になる3つを順に決めていきます。

1-1. 予算の上限を決める

たとえば月額が一番安いサービスを選んで始めたとします。運営を続けるうちに、レビュー表示、定期購入、出荷作業の自動化と、必要な機能をアプリで足していく。一つひとつは数千円でも、積み重なれば毎月の支払いは当初の見込みを超えていきます。

だからこそ最初に決めておきたいのが、初期費用と月額のそれぞれに引く「ここまでなら出せる」という上限です。ECサイトの費用は、最初に一度だけかかる初期費用と、毎月かかるランニング費用の2つに分かれます。多くの人は月額の数字を見比べて決めようとしますが、実際の支払いは、運営しながら足していくアプリ代が積み上がって決まります。月額が安くても、機能を追加するうちに固定費は膨らんでいきます。

初期にいくらまで、毎月いくらまでという2本の線を先に引いておけば、気になる作り方を見つけたときに「自分の上限に収まるか」をその場で判断できます。月額の数字を並べて迷う時間が、大きく減るはずです。

1-2. 目指す売上規模を決める

月に数件の注文なら手作業でも回りますが、件数が増えるほど同じやり方は通用しなくなります。だからこそ、目指す売上規模をあらかじめ見当をつけておくことが重要です。

これは実務上の目安ですが、月の注文数が500件あたりになると、手作業での出荷オペレーション(ピッキング・梱包・発送)が厳しくなり始めます。1,000件を超えると、出荷を自動化する仕組みがほぼ欠かせなくなります。一方で、商品数だけなら1,000点を超えても標準機能のまま運用しているショップも多くあります。

最初から大規模を見込んで作り込むと、使わない機能にお金と時間をかけることになります。逆に見当が小さすぎると、注文が増えたときに作り直しが必要になります。だからこそ、いまの目標と、半年〜1年先にどれくらい伸ばしたいかを、ざっくりでいいので思い描いておきます。

「まずは月に数十件、軌道に乗ったら数百件」と見当がつけば、最初は標準機能で始めて、注文が増えてきたら出荷自動化を足す、という順番が見えてきます。規模の見当は、いつ何にお金をかけるかの順番を決めてくれます

1-3. 売る商品・サービスを決める

3つめは、何を売るかを具体的に決めることです。物販なのか、定期購入なのか、デジタル商品なのかで、必要になる機能が変わります。

たとえば、色やサイズのある商品なら、Shopifyではバリエーションを最大3軸まで設定でき、それぞれに在庫や価格を個別に管理できます。ここまでは標準機能の範囲です。一方、毎月決まった商品を届ける定期購入(サブスク)になると、アプリの追加が必要になります。

そして、何を売るかと同じくらい、誰に売るかも見当をつけておきます。同じ商品でも、贈り物として買う人と自分用に買う人とでは、必要なページの作りも、見せ方も変わってきます。買い手の顔がぼんやりしたままだと、作り方を選んだ後のデザインや商品説明で迷い続けることになります。

扱う商品と、その買い手、そして売り方を一度紙に書き出してみると、自分に必要な機能の輪郭がはっきりします。予算・規模・商品の3つがそろえば、次の「どう作るか」を選ぶ準備が整います。

2.集客力を借りるか、自由に作り込むか——作り方の分かれ道

ネットショップ開設の作り方を3つから選ぶ分かれ道を示すイメージ

作り方は大きく3つに分かれます。Shopifyのようなネットショップ作成サービス、楽天市場やAmazonのようなモールへの出店、そしてゼロから組み上げる自社構築です。選ぶときの軸は2つあります。すでにある集客にどれだけ乗れるか、そして自分の思いどおりにどこまで作り込めるか。この2つはたいてい両立せず、片方を取ればもう片方をあきらめることになります。どちらを優先したいかで、向く作り方は変わってきます。

2-1. ネットショップ作成サービス|低コストで自分の店を持てる

毎月決まった月額と、商品が売れたぶんにかかる決済手数料。このわかりやすい2つの費用で、独自ドメインの自分の店を持てるのがネットショップ作成サービスです。初めてECを作る人が最初に検討する、標準的な出発点になります。

Shopify、STORES、BASEといったサービスがこれにあたります。商品登録・在庫・決済・配送といったEC運営の土台は標準機能でひととおり揃い、用意されたテーマを選んでデザインを整えれば、自分の世界観を持った店をかたちにできます。専門知識がなくても、管理画面の操作だけで開設までたどり着けます。月額と手数料という見通しの立てやすい費用で、自分のブランドを自分の裁量で育てていけます。初めての一歩としては、もっとも取り組みやすい選択肢です。

2-2. モール出店|集客力に乗れるが、独自性は出しにくい

楽天市場やAmazon、Yahoo!ショッピングといったモールへの出店は、すでに大勢の買い物客が集まっている場所に店を構える作り方です。集客の苦労を肩代わりしてもらえる代わりに、店ごとの個性や利益率は削られていきます。

最大の魅力は、その集客力です。モール自体が広告を打ち、検索から人を集めてくれるので、開設初日からアクセスが見込めます。半面、出店料や販売手数料がかかり、同じ商品を扱う店と並ぶため値下げ競争にも巻き込まれやすいです。デザインもモールの枠の中での調整が中心で、独自の世界観は出しにくくなります。

見落とされがちなのが、顧客が「モールの客」であって「自分の店の客」になりにくい点です。誰がいつ何を買ったかという情報はモール側に蓄積され、リピートを促すメールを自由に送ることも難しくなります。売上は立っても、次につなげる資産が自社に残りにくいのです。

まずは売上の入り口がほしい、商品力で勝負できる、という事業者には合います。一方で、ブランドや顧客との関係を長く育てたいなら、モール一本ではなく作成サービスと併用する選び方も視野に入ってきます

2-3. 自社構築|自由度は最大、ただし費用と体制が必要

3つめの自社構築は、ゼロから、あるいはECパッケージをベースに、自分たちのシステムを組み上げる作り方です。要件をほぼすべて実装できる代わりに、費用も体制も自前で抱えることになり、最初の一歩としては重くなります。

強みは自由度の高さです。独自の会員制度、基幹システムとの連携、特殊な販売フローなど、既存サービスの枠に収まらない要件も思いどおりに形にできます。その反面、初期費用は要件しだいで大きく振れ、公開して終わりではなく保守や改修も続きます。社内に開発を担える人がいなければ、外部に任せ続ける費用も発生します。自由に作れることと、使いこなせることは別の話なのでまずは作成サービスで始めることをおすすめします。

すでに事業規模が大きく、既存サービスでは実現できない要件を抱えている事業者が選ぶ作り方です。裏返せば、これから始める段階なら、まずは作成サービスで十分なケースがほとんどです

3.順番どおり進めれば、初心者でも開設できる

Shopifyでネットショップを開設する4ステップの手順を表す階段のイメージ

作り方が決まったら、いよいよ構築です。ここからは、作り方の中でも初心者に勧めやすいShopifyを例に、登録から公開までの流れを順番に追っていきます。手順そのものは4ステップ。順番に進めれば、専門知識がなくても開設までたどり着けます。

3-1. STEP1:Shopifyに登録し、決済と配送を設定する

最初のステップは、Shopifyへのアカウント登録と、お金の受け取り方・商品の届け方を決めることです。店でいえば、レジと配送カウンターを用意する段階にあたります。

登録自体はメールアドレスがあれば数分で完了し、プランは後から変更できます。先に手をつけたいのは決済と配送の設定です。決済は、Shopify Paymentsを使えばクレジットカード決済をまとめて導入できます。日本のECでよく使われるコンビニ決済や後払いは標準では含まれず、KOMOJUやPaidyといったアプリを追加するのが選択肢の一つです。配送は、地域別・金額別・重量別といった条件で送料を細かく設定でき、ここは標準機能の範囲で対応できます。

日本の買い物客には、カードを使わずコンビニ払いを選ぶ人が一定数います。そこを用意しないまま公開すると、買おうとした人が支払い画面で離れてしまう。最初に「自分の客はどう払いたいか」を想像しておくと、後から慌てずにすみます。

決済と配送が整えば、店の骨組みはできあがりです。なお、注文後の出荷作業に必要な送り状の発行は標準ではできず、別途アプリが必要になります。これは公開後の運用の話なので、設定の段階では決済と配送が整えば十分です。

3-2. STEP2:商品を登録し、特商法・規約ページを整える

骨組みができたら、売る商品を登録し、あわせて法律で求められるページを用意します。商品を並べる作業と、店として守るべき表記をそろえる作業を、ここでまとめて進めます。

商品登録では、色やサイズといったバリエーションを最大3軸まで設定でき、それぞれに在庫数や価格を個別に持たせられます。在庫数は手入力です。注文が入れば在庫は自動で減りますが、最初の数値は自分で入れる必要があります。なお、在庫がゼロになっても、商品ページは「売り切れ」の表示で残るのが標準の動きです。売り切れた商品を一覧から自動で隠したい場合は、コレクションの条件設定や専用のアプリが必要になります。

特定商取引法に基づく表記も、商品とあわせて用意します。事業者名や所在地、返品の条件などを明記したページで、ネットで物を売る以上は欠かせません。あわせてプライバシーポリシー、利用規約、返品特約といった固定ページも作成します。地味な作業ですが、ここが抜けていると、買い手に「ちゃんとした店なのか」と不安を持たれます。

商品が並び、必要なページがそろえば、店としての体裁は整います。あとは、それが想定どおりに動くかを確かめる段階です。

3-3. STEP3:テスト注文で確認し、問題なければ公開する

公開ボタンを押す前に、必ずテスト注文を一度通します。自分が客になって最後まで買ってみて、決済・配送・自動メールが想定どおり動くかを確かめる段階です。

確認したいのは大きく3つあります。注文の決済が問題なく通るか。注文確認などの自動配信メールが、おかしな文面になっていないか。そして商品ページや決済画面に表示崩れやリンク切れがないか。スマートフォンとパソコンの両方で見ておくと安心です

ここを飛ばして公開すると、最初の注文がそのまま本番のトラブルになります。メールの差出人名が初期設定のままだったり、送料が意図と違う金額で計算されたり。テスト注文の数分を惜しんだせいで、お客さまに謝ることになるのは避けたいところです。

ひととおり確認して問題がなければ、ストアにかかっているパスワードを解除します。これで誰でもアクセスできる状態、つまり公開です。

3-4. STEP4:公開してからが本番、初動の集客を始める

公開はゴールではなく、スタートです。サイトを開けただけでは誰も訪れないので、ここから自分で人を呼び込む動きを始めて、はじめて売上につながります。

作成サービスには、モールのような送客はありません。公開直後のアクセスはほぼゼロから始まると考えておきます。最初の入り口になりやすいのは、SNSでの告知、Web広告、そしてすでにつながりのある知人や既存客への案内です。

SEO(検索からの流入)も大切な集客手段ですが、効きはじめるまでには時間がかかります。公開してすぐ検索上位に出ることは少ないので、初動はSNSや広告で動きを作り、SEOは中長期で育てる、と分けて考えると整理しやすくなります。

公開後にまず売上を左右するのは、商品ページの完成度よりも、人をどう連れてくるかです。そしてこの集客には、広告費という新たなコストもかかってきます。

4.初心者がはまりやすい失敗と、その防ぎ方

EC初心者がはまりやすい失敗とその防ぎ方を象徴する注意標識のイメージ

開設までたどり着いた人がつまずくポイントは、だいたい決まっています。ここでは特に多い3つを、起きてから直すのではなく、事前に防ぐ視点でまとめます。どれも、開設前に少し考えておくだけで避けられるものばかりです。

4-1. 注文が入ってからでは遅い、受注後の流れを決めておく

開設前は「どう売るか」に意識が向きがちですが、見落としやすいのが、注文が入った後の流れです。在庫の引き当て、梱包、発送、問い合わせへの対応。この段取りを先に決めておかないと、最初の注文でいきなり慌てることになります。

自動で進むのは、在庫の減算までです。そこから先、商品を棚から取り出し、箱に詰め、伝票を貼って送り出す出荷作業は、自分の手で動かすことになります。配送に必要な送り状の発行も標準ではできず、ヤマト運輸のB2クラウドや佐川急便のe飛伝といったアプリと連携させて出力します。

最初の注文が入った瞬間に、梱包材がない、送り状をどう出すか決めていない、問い合わせメールの返信文を用意していない、と気づくのはよくある光景です。商品が売れた喜びが、段取り不足の焦りに変わってしまいます。

注文が入ってから考えるのではなく、テスト注文の段階で「この注文が本物だったら、自分はどう動くか」を一度なぞっておきます。発送までの手順と、問い合わせや返品の窓口を先に決めておけば、最初の注文を落ち着いて迎えられます。

4-2. 月額より、手数料率と広告費が大きく作用する

月額は、売上がいくらでも基本的に変わらない固定費です。一方、決済手数料は売れるほど積み上がり、広告費は人を集めようとするほど増えていきます。つまり、売上が伸びるほど効いてくるのは、月額ではなく、売上や集客に比例して動くこの2つのほうです。

とくに運用型広告は、出せばその分かかるため、上限を決めずに回すと青天井になりかねません。月額を数百円安く抑えることに気を取られて、手数料率の差や広告費の見込みを後回しにすることがあります。その場合、月末の収支を見て「思ったより手元に残らない」と気づくことになります。

比べるべきは月額そのものよりも、「売上が立ったときに、手数料と広告費を引いて何が残るか」です。固定費だけでなく、売上に連動して動くコストまで含めて見ておくと、運営が始まってからの収支のぶれを抑えられます。

4-3. 60点で始めることが、失敗を防ぐ

最後の落とし穴は、完璧を目指しすぎることです。すべてを整えてから公開しようとするほど開設は遠のき、その間は一円も売れません。60点でいったん公開し、運営しながら直していくほうが、結果的にうまくいきます。

公開前にいくら考えても、実際にお客さまがどのページで迷い、どの商品に反応するかは、開けてみないとわかりません。アクセス数や注文のデータは、公開して初めて手に入ります。作り込みに何ヶ月もかける間にも、その学びを得る機会を逃し続けていることになります。

デザインを細部まで詰めたい、品揃えを完璧にしたいと考えるのは自然なことです。ですが、その「あと少し」を追いかけているうちに、最初の熱量が冷めて開設自体が止まってしまう例は少なくありません。

まずは標準機能で始め、必要だと分かってからアプリを足す。デザインも品揃えも、運営しながら育てればかまいません。完成を待つより、公開してお客さまの反応から学ぶほうが、ECは早く前に進みます

5.まとめ

ECサイト構築を終えて運営のスタートラインに立つ道の始まりのイメージ

ECサイトの作り方は、ネットショップ作成サービス、モール出店、自社構築の3つに大きく分かれます。どれを選ぶかの前に、予算の上限、目指す売上規模、売る商品の3つを先に決めておくと、自分に合う作り方は自然に絞り込めます。

初めてECを作るなら、低コストで自分の店を持てる作成サービスが出発点として選びやすく、Shopifyなら登録・商品登録・テスト注文・公開という4ステップで開設までたどり着けます。そして公開はゴールではなくスタートです。集客や受注後の流れ、月額以外にかかってくるコストまで見据えておけば、開設後のつまずきはしっかり減らせます。

完璧を待たず、60点で始めて運営しながら育てる。その一歩が、ECサイト運営のスタートラインです。

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