Shopifyのパートナー報酬は、2026年8月10日から新しい条件に切り替わります。サブスク料金の20%に加えて、適格オンラインGMV(報酬の対象になるオンライン取引の売上総額)の0.1%が付きます。パートナーがマーチャントの売上そのものから受け取るのは、今回が最初です。(パートナーブログ)
先に押さえておきたいのは、すでにローンチしたストアの報酬が動かない点です。料率も期間も、そのまま続きます。置き直しが必要になるのは、8月10日以降に成約または移管する案件です。判定に使う日付は、報酬の種類ごとに分かれます。
この記事では5点を扱います。サブスク連動報酬の条件がどこで入れ替わるか。構築とアプリとテーマと紹介で、それぞれ何を受け取って何が発生条件になるか。毎月続く報酬と一時金をどう組み合わせるか。ランクを上げることに費用対効果があるのはどこか。案件が動き出した直後にどの手続きを踏むか。
委ねる範囲を先に置きます。料率の内訳とプラン別の試算手順、適用境界の細かい判定は【2026年8月改定 Shopifyパートナーのレベニューシェア新制度】。各ランクの特典一覧と昇格要件の全体像は【Shopifyパートナーとは?種類と5段階ランクの昇格要件】。登録の操作手順と支払いサイクルの全体像は【Shopifyパートナーのなり方】にまとめています。
- 1.2026年8月10日からサブスク連動の報酬条件が入れ替わる
- 1-1. 期間|永続だった20%が4年で切れる
- 1-2. 案件形態|Plus共同販売だけは料率が上がって期間が縮む
- 1-3. 対象料金|割引とクレジットを差し引いたサブスク料金で計算する
- 1-4. 対象GMV|オンライン消費者取引のネットで年1億ドルまで
- 1-5. 適用日|リード提出とローンチとPlus開始の3つで分岐する
- 2.手取りと発生条件は公式の種類ではなく4つの収益経路で決まる
- 2-1. 構築は移管かSOWが条件でサブスク20%とGMV0.1%が入る
- 2-2. 構築を伴わない紹介は一時金だけで継続シェアが付かない
- 2-3. アプリは19ドルの登録で累計100万ドルまでシェア0%になる
- 2-4. テーマはTheme Store経由で一律15%のシェアがかかる
- 3.毎月続く報酬と一時金を組み合わせてパートナー収益を設計する
- 3-1. 公式試算ではAdvanced1件の4年合計が約5900ドル
- 3-2. 一時金と決済の利益シェアも4系統で条件が動く
- 3-3. 一時金で初年度を作り継続シェアで残りの3年を伸ばす
- 4.上のランクを目指す価値があるパートナーは限られる
- 4-1. 料率|ティアが上がっても全パートナー同率のまま
- 4-2. 送客|Plus以上になるとDirectory掲載が保証される
- 4-3. 要件|Plusは2つの収益基準のどちらかと案件数を満たす
- 5.案件が動き出した直後の手続きで初年度の入金は変わる
- 5-1. Plusリードは営業接触前に出して30日以内に商談化させる
- 5-2. 共同販売Plusの継続シェアはSOWの締結で確定する
- 5-3. 4年の起算は初回の支払いなので課金開始が遅れれば後ろにずれる
- 5-4. 初回の入金は30日の保留を通ってから支払いサイクルに乗る
- 6.よくある質問
- まとめ
1.2026年8月10日からサブスク連動の報酬条件が入れ替わる

2026年7月7日の発表から施行までは約1か月です。この間に見積もりを出す案件は、どちらの条件で4年分を計算するかで金額が変わります。以下の記述は2026年7月29日時点の公式資料に基づきます。
1-1. 期間|永続だった20%が4年で切れる
サブスク料金の20%という料率は、新旧で同じです。動くのは支払いが続く年数だけで、永続から4年になります。8月10日以降に走る案件では、5年目からサブスク連動の入金が止まります。(収益モデルFAQ)
代わりに、20%へ適格オンラインGMVの0.1%が加わります。GMV連動分はローンチ直後より数年後に伸びるため、受け取る額が前半に厚くなる設計です。対象はBasic・Grow・Advanced・Plusの4プランで、Starterは対象外です。
8月10日をまたぐと、案件一覧が2つの列に分かれます。9日までにローンチしたストアは終わりのない列、10日以降は4年で切れる列です。旧条件側は20%が永続で続き、GMVシェアも付きません。
1-2. 案件形態|Plus共同販売だけは料率が上がって期間が縮む
Shopifyとの共同販売で立ち上げたPlusの案件は、料率が15%から20%へ上がります。他の経路は料率が据え置きで期間だけ縮むため、この経路だけ変化のベクトルが異なります。
この経路の対象は、2025年7月1日から2026年8月9日までにローンチしたPlusのストアです。条件は請求プラットフォーム料金の15%で、期間は永続です。8月10日以降は、どの経路でも20%と0.1%に揃います。(収益モデルFAQ)
パートナー主導と営業共同という分け方は、旧条件では料率そのものを決めます。8月10日以降にこの分け方が決めるのは、料率ではなく報酬の発生条件だけです。残るのは、クライアント移管を済ませたか、SOWを結んだかという違いです。SOWは構築や移管の作業範囲について双方で合意する書面で、以降はSOWと記します。
基準額も変わります。旧条件の15%は請求プラットフォーム料金、つまりその期に請求されたベース料金または変動料金が基準です。新条件の20%について用語集が定義しているのは、固定のベースプラットフォーム料金です。収益ページは新条件を今後反映すると注記しているため、現時点で読めるのは用語集の定義になります。(パートナーの収益/パートナー用語集)
定額で請求されているマーチャントなら、料率が上がるぶん受け取りも増えます。変動料金で請求されているマーチャントの扱いは定まっていないため、有利不利を先に決められません。永続が4年に変わる点と合わせて、案件を何年見るかで結論が動きます。
1-3. 対象料金|割引とクレジットを差し引いたサブスク料金で計算する
20%が乗るのは、マーチャントがShopifyへ実際に支払った額です。ディスカウントとクレジットを引いた後の金額が基準になります。(支払いを受け取る)
Plusのストアは、時期で基準が分かれます。2025年7月1日より前に作って移管したストアは固定のベースプラットフォーム料金、同日以降は請求プラットフォーム料金が基準です。請求プラットフォーム料金は、その期にマーチャントへ請求されたベース料金と変動料金のどちらかを指します。(パートナーの収益)
Plusの料金は定額が基本で、取引量の大きい事業者は定額のかわりに変動料金へ切り替わります。現行の条件では、切り替わった後も請求された額が基準になります。(パートナーの収益/Plus料金ページ)
年払いプランの扱いは経路で分かれます。クライアント移管の案件では割引後の月額の20%を毎月受け取ります。営業共同のローンチ報酬では、暦年が終わったあとに年1回です。(パートナーの収益)
支払いの手段でも変わります。マーチャントがサブスククレジットで払った請求書には、紹介による収益が付きません。
マーチャント側の支払いが止まれば、報酬も止まります。決済が失敗した場合は再試行が通ってから、未払いでアカウントが凍結された場合は凍結が解けてから支払われる扱いです。プラットフォームクレジットで請求が0ドルになった期間は、クレジットを使い切ってマーチャントが自己負担で支払うまで報酬も0ドルです。受け取る報酬に、所在地と活動の種別によって税がかかる場合もあります。(支払いを受け取る/パートナー用語集)
1-4. 対象GMV|オンライン消費者取引のネットで年1億ドルまで
0.1%の計算のもとは、返品と返金を引いた後の金額です。対象はオンラインのDTC取引、つまり消費者へ直接売った分に限られます。上限はマーチャント1社あたり年1億ドルで、超えたぶんには乗りません。(パートナー用語集)
定義として明示的に外れるのは、B2Bと卸売の取引です。対面POSの売上は、オンラインという定義の外にあるため初めから範囲に入りません。
月100万ドルの適格GMVがあるマーチャントなら、その月の報酬は1,000ドルです。0.1%という数字だけを見ると小さく映りますが、4年で積み上げるとサブスク連動分と同じ規模になります。年間75万ドルのGMVがある1件なら、4年のGMV連動分は3,000ドルです。
対面POSとB2Bには、それぞれ別の系統があります。対面POSの計算に使うのはGPVという別の指標で、こちらはShopify Payments経由の対面取引だけを数え、オンライン売上と現金を除外します。オンラインの0.1%と二重に数える仕組みではありません。(パートナー用語集)
1-5. 適用日|リード提出とローンチとPlus開始の3つで分岐する
判定に使う日付は経路で違います。パートナーが移管する案件は移管日、営業共同の案件は成約日、Plus紹介の一時金はリードを提出した日、Plus関連の条件はPlusプランが始まった日です。(パートナーブログ/パートナー用語集)
ただしFAQの一覧表だけは、移管日ではなくストアのローンチ日を判定日に挙げています。用語集のローンチはマーチャントが有料プランを選ぶ時点です。(収益モデルFAQ/パートナー用語集)この差が出るのは、8月9日までに移管して有料プランの開始が10日以降になる案件です。移管日で読めば旧条件の永続20%、ローンチ日で読めば新条件の4年になります。
契約本文は、開発ストアがマーチャントストアになる時点を移管と初回支払いの早いほうと定めています。移管日で確定すると読める根拠ですが、新条件の適用判定について書かれた条項ではありません。この1か月に動く案件は、両方の金額を出しておくのが安全です。(パートナープログラム契約)
いったん決まった条件は動きません。継続シェアはその時点のプログラム条件に恒久的に紐づき、プランを上げても下げてもそのまま続きます。旧条件でローンチしたAdvancedのストアがPlusへ上がれば、新しいPlus料金に永続の20%が乗り続けます。新条件で4年に入った案件が2年目にPlusへ上がれば、新しいPlus料金に対して20%と0.1%が残りの期間分続きます。
リードを出し直した案件は、再提出した時点の条件で評価します。8月9日までに出したリードが不適格になり、10日以降に出し直せば新条件側へ移ります。(収益モデルFAQ)
報酬の計算元は、Plusの組織で料金の請求先になっている主ストアです。請求が別のストアへ移っても報酬はそのまま移らず、元のストアが払い続けている限り続きます。(パートナー用語集)
メインサイトに追加で運営できるECサイトのExpansion Storeはプラットフォーム料金が単体で発生しないため、20%と2,500ドルの対象外です。8月10日以降にクライアント移管を行えば、そのストアの適格オンラインGMVの0.1%が4年分付きます。
2.手取りと発生条件は公式の種類ではなく4つの収益経路で決まる

4つの経路は、お金の流れる向きで2つに分かれます。構築と紹介はShopifyから受け取る側、アプリとテーマはShopifyへ支払う側です。パーセンテージの意味もここで裏返り、前者は受け取る率、後者はShopifyが取る率になります。
| 経路 | 率・金額 | 何に対する数字か | お金の向き |
|---|---|---|---|
| 構築 | 20% | マーチャントが払うサブスクのベース料金 | 受け取る |
| 構築 | 0.1% | 適格オンラインGMV | 受け取る |
| 紹介(Plus成約) | 2,500ドル | 一時金 | 受け取る |
| 紹介(POS Pro) | 500ドル | 一時金 | 受け取る |
| アプリ(未登録) | 20% | アプリの総売上 | Shopifyへ支払う |
| アプリ(登録・累計100万ドル超) | 15% | アプリの総売上 | Shopifyへ支払う |
| テーマ | 15% | テーマの総売上 | Shopifyへ支払う |
旧条件でShopifyとの共同販売Plusだけに付く15%は、プラットフォーム料金を基準にパートナーが受け取る側の数字です(2026年7月29日時点)。
公式の区分は、この4経路とは別に2系統あります。サービス系はRegisteredからPlatinumまでの5段階のランクで測り、テクノロジー系はCertified Technology Partner Programの認定で測ります。ただし公式の種類は、報酬がどの経路から発生するかを決めません。各段の特典一覧と5段階の内訳は【Shopifyパートナーとは?種類と5段階ランクの昇格要件】にまとめています。(プログラムについて)
受け取る側の2つは、構築費と運用保守という本体の売上に上乗せされる位置にあります。上乗せ分だけで事業が回る設計ではありません。国内の構築費と運用保守の相場、体制の組み方は【Shopify構築 自社 vs 外注】で扱います。
2-1. 構築は移管かSOWが条件でサブスク20%とGMV0.1%が入る
継続シェアの条件は、2つのうちどちらかです。クライアント移管ストアを作ってマーチャントへ移管したか、Shopifyとの共同販売で指名を受けてSOWを結んだか。(収益モデルFAQ)
運用上は2つのストアを使い分けます。継続シェアの対象になるのは、Dev Dashboardで作ったクライアント移管ストアをマーチャントへ移管した場合です。開発ストアはアプリやテーマの検証に使う環境で、用語集はこちらを引き渡しの手段として案内していません。(パートナーの収益/パートナー用語集)
ただし契約本文の定義はもっと広く取っています。開発ストアをテスト目的または移管目的のストアと定義し、パートナーが所有権を移管した時点でマーチャントストアになると書いています。収益FAQも開発ストアを構築して移管したことを条件に挙げています。用語の整理が資料間で追いついていない箇所です。(パートナープログラム契約/収益モデルFAQ)
共同販売の案件では、Launch Partnerとしての指名とSOWの締結が両方そろって条件を満たします。SOWには両者の署名と日付が必要です。
Advancedプランには例外があります。Shopify営業と協働する案件でもSOWは不要で、クライアント移管を行ったパートナーが自動で受け取ります。
控除は経路で違います。公式が2.9%の処理手数料を定めているのはアプリとテーマの課金についてで、構築の報酬について公式が書いているのは税だけです。(パートナー用語集/Theme Storeレベニューシェア)
2-2. 構築を伴わない紹介は一時金だけで継続シェアが付かない
構築を担当しない紹介では、継続シェアが付きません。受け取れるのは一時金だけです。(収益モデルFAQ)
継続シェアの条件がクライアント移管かSOWなので、紹介だけの関与では満たしません。既存マーチャントがPlusへ上がる場面では、元の開発パートナーが自分の継続シェアをそのまま維持し、紹介したパートナーは2,500ドルの一時金だけを受け取ります。
一時金が出る紹介は、Plus成約とPOS Proの2種類です。
Plus成約には経路の条件があります。マーチャントが管理画面から独力でPlusへ切り替えた場合は対象から外れます。ただしPartner DashboardのLeadsから送るPlus Auto-Upgrade Invitationを使い、マーチャントがそのリンクを踏んでアップグレードを完了した場合は対象です。元の開発パートナーなら継続シェア、そうでなければ2,500ドルが付きます。(パートナー用語集)
成約の形はPlusまたはEnterpriseの契約に限られます。Enterpriseは申し込みで選べるプランではなく、問い合わせ制の個別契約です。(Shopify for enterprise)
PlusでもPOS Proでもない紹介には、一時金がありません。アフィリエイトのリンク経由の紹介は2023年にImpactへ移り、別の制度になっています。2,500ドルは変更の可能性がある金額です(2026年7月29日時点)。
2-3. アプリは19ドルの登録で累計100万ドルまでシェア0%になる
Shopify App Storeのレベニューシェアプランに登録すると、Shopifyが取る率が標準の20%から15%へ下がります。さらに累計100万ドルまでは0%です。(App Storeレベニューシェア)
登録料は19ドルの1回払いです。2021年8月1日より前に作ったアカウントと、非公開・カスタムアプリだけを作る場合は免除されます。(パートナー用語集)
累計は2025年1月1日以降の総売上で数え、年ごとにリセットしません。関連する開発者アカウントの売上は合算しますが、テーマの売上と紹介による報酬は含みません。
0%の枠には除外があります。前年にApp Storeで2,000万ドル以上を得た開発者、または全社の総収益が1億ドル以上の開発者は、最初から15%です。判定は毎年やり直します。(App Storeレベニューシェア)
手元に残るのは85%を下回ります。2.9%の処理手数料と税が別にかかるためです。カスタムアプリだけを作る場合は登録が不要で、そもそもShopifyの課金機能で請求できるのはApp Storeの公開アプリだけです。(アプリの構築と収益化)
2-4. テーマはTheme Store経由で一律15%のシェアがかかる
Shopify Theme Storeへの出品申請に手数料はかかりません。アプリの19ドルにあたる初期費用がない代わりに、掲載後の総収益からShopifyが一律15%を取ります。(Theme Storeレベニューシェア)
アプリと違い、テーマに0%の枠はありません。1本目の売上から差し引かれます。(Theme Storeレベニューシェア)
ただしTheme Storeのテンプレート一覧には、最初の100万ドルは0%という訴求文が今も残っています。2021年のShopify Uniteで発表された当時の条件で、各言語版に展開されたままです。現行の定義はshopify.devの一律15%で、契約本文も総収益の15%と定めています。0%の枠は契約上どこにもありません。(Theme Storeレベニューシェア/パートナープログラム契約)
計算のもとは、返品を差し引かない総売上です。返金が出た月でも、Shopifyの取り分はその分だけ目減りしません。ここに2.9%の処理手数料と税が加わります。
3.毎月続く報酬と一時金を組み合わせてパートナー収益を設計する

報酬の系統が増えたぶん、期間はそろっていません。4年で切れるもの、1年で終わるもの、一度きりのものが、同じ案件に同時に乗ります。2026年7月7日の発表には、これらを合算した4年分の試算が2例載っています。(パートナーブログ)
3-1. 公式試算ではAdvanced1件の4年合計が約5900ドル
Advancedのストア1件で、年間の適格オンラインGMVが75万ドルあるとき、4年の合計は5,872ドルです。
旧条件の同じ案件は2,872ドルで、2倍を超えます。(パートナーブログ)
内訳は2つに割れます。GMV連動分は75万ドルの0.1%が4年で3,000ドル。サブスク連動分が残りの2,872ドルです。増えた3,000ドルが、そのままGMV連動分にあたります。
公式にはもう1例、営業共同で立ち上げたPlusの試算があります。年間の適格オンラインGMVが1,000万ドル、年間の小売GMVが200万ドルという条件で、4年合計73,380ドルです。旧条件では30,900ドルなので、2.4倍近くになります。
ただしPlusの例は、小売POSの利益シェアとPlus紹介のボーナスを含む別構成です。Advancedの例のように、サブスク分とGMV分の2つへ割ることはできません。
3-2. 一時金と決済の利益シェアも4系統で条件が動く
サブスク連動のほかに、一時金と決済の利益シェアが5系統あります。8月10日で条件が動くのはこのうち4つです。(パートナーブログ)
| 系統 | 率・金額と期間 | 8月10日の変化 | 主な発生条件 |
|---|---|---|---|
| Plus紹介の一時金 | 2,500ドル/一度 | 対象が純新規のみからアップグレードにも拡大 | 営業接触前のリード提出 |
| POS Pro紹介の一時金 | 500ドル/一度 | 据え置き | 紹介から6か月以内に、直近365日のPOS Pro未加入、正価2か月連続または年払い、月10日以上の取引を2か月以上、対面小売GMV月1,000ドル超の4点を満たす。対象は18か国で日本は対象外 |
| POS Payments利益シェア | Shopifyの純利益の20%/4年 | 2年から4年へ | POSリードフォーム提出。直近365日に対面のShopify Payments利用なし。6か月以内にGPV1,000ドル超。対象は18か国で日本は対象外 |
| B2B決済の利益シェア | 20%/4年 | 新設 | B2Bリードフォーム提出。署名済みSOW。Shopify B2Bに完全な新規 |
| Shop Pay off Shopify | 0.1%/1年 | 新設 | 完全な新規。成約前のSOW提出 |
表の20%には読み方の注意があります。POS PaymentsとB2Bの20%は利益シェアで、マーチャントの売上に対する率ではありません。POS Paymentsについては、Shopifyの純利益に対する率だと明記があります。(収益モデルFAQ)
国内の案件では、POS系の2つがどちらも動きません。対象になるマーチャントの所在地が18か国に限定されていて、日本は入っていません。500ドルの一時金も20%の利益シェアも、国内のマーチャントでは対象外です。(パートナーの収益)
背景として、Shopify Paymentsは日本ではオンライン販売専用で、対面POSの決済処理には使えません。(日本の決済手段)
POS系の2つは、収益ページでプロモーションの節に置かれています。Shopifyが随時終了または変更できると明記されているため、常設のプログラムとして扱えません。(パートナーの収益)
500ドルと20%の利益シェアは、マーチャント1社につき1回です。店舗を増やしても、その分だけ積み上がることはありません。(収益モデルFAQ)
3-3. 一時金で初年度を作り継続シェアで残りの3年を伸ばす
設計の順序は決まっています。初年度の現金は一時金で作り、2年目から4年目は継続シェアで積みます。
一時金は、要件をすべて満たしてから30日以内に届きます。Plus成約の2,500ドルとPOS Proの500ドルが、案件の立ち上がりに乗る部分です。継続シェアは初回のパートナー支払いから4年かけて積むため、序盤の金額は薄くなります。(収益モデルFAQ)
後半を押し上げるのはGMV連動分です。公式試算の2例で、GMV連動分は合計の約51%と約55%を占めます。公表された適格GMVと料率から自社で計算した値です。納品して終わりにすると、この半分が動きません。
前提は帰属の確定です。同一ストアの報酬を複数のパートナーで分けることはできません。設計を始める前に、その案件の帰属が自社にあるかどうかを確かめておく順序になります。(収益モデルFAQ)
4.上のランクを目指す価値があるパートナーは限られる

Shopifyは昇格の条件をShopify Partner Program Tiering Guideで公開しています。資料本文にService TrackのQ3 2026版と記載があり、以下は2026年7月29日に取得した内容です。配布URLは版によらない固定パスなので、同じリンクから最新版に差し替わります。同じ資料に、ランクごとに何が付くかも載っています。ただし報酬の料率については、この資料に条件がありません。
4-1. 料率|ティアが上がっても全パートナー同率のまま
ランクを上げても、報酬の料率は同じままです。8月10日以降は全パートナーが全プランで同率で、料率にパートナー主導か営業共同かの区別も入りません。(パートナーブログ)
旧条件では経路によって料率が分かれます。8月10日以降はこの差がなくなり、どの経路でも同じ率になります。料率を決めるのは経路と時点の2つで、ランクはこの計算の外にあります。
昇格で動くのは案件数の側です。Directory経由で届く相談の量と、Shopify側からの案内が変わり、1件あたりの単価は据え置きのままです。料率の上昇を見込んで昇格の工数を割くと、計算が合いません。
4-2. 送客|Plus以上になるとDirectory掲載が保証される
Partner Directory(マーチャントが依頼先のパートナーを検索するShopify公式の掲載サービス)への掲載が確実になるのは、Plus以上です。Plus・Premier・Platinumの3段は継続して招待を受けます。Registeredにも枠はありますが、枠の数は多くありません。(Directory参加条件)
Directoryはマーチャント側がパートナーを探す入口です。掲載があると、指名で相談が届く経路が1本増えます。Selectには掲載の保証がありません。昇格の実利がはっきり変わる境目は、SelectとPlusの間です。
昇格の判定は四半期ごとです。ティアの更新日は1月1日・4月1日・7月1日・10月1日で、次の更新は2026年10月1日です。この日付はティアの見直し日であって、ガイドの改訂日ではありません。条件を満たしても、次の更新日まで掲載は動きません。(Directory参加条件/Tiering Guide)
掲載枠の混み具合は国ごとに違います。Japanで絞り込むと104社が掲載されています(2026年7月30日時点の自社集計)。ティアでの絞り込みにも対応しているので各段の社数も数えられますが、選択肢にRegisteredがないため、4段の合計は全体の社数と一致しません。(Directory参加条件)
4-3. 要件|Plusは2つの収益基準のどちらかと案件数を満たす
Plusへ上がるには、収益の2基準のどちらかと、案件数の両方を満たす必要があります。(Tiering Guide/Directory参加条件)
収益の1つ目は、新規の紹介と共同販売でShopifyにもたらした年間収益が50万ドル以上。2つ目は、継続して支援している既存マーチャントからの年間収益が250万ドル以上です。どちらか一方で足ります。
案件数は、PlusまたはEnterpriseの契約が2件以上、あるいはStandardが40件以上です。StandardはBasic・Grow・Advancedを指します。評価の窓は収益が直近5年、案件数もPlusまでは直近5年です。純新規のマーチャントだけが対象で、Expansion Storeは含めません。
もうひとつクレデンシャルという軸があり、ここで公式資料が食い違います。クレデンシャルはShopify Verified Skillsのことで、Shopify Academyの有料試験に合格して取得します。
バッジはCredlyが発行し、組織の実績として数えるには、Academyで使うメールアドレスを組織へ接続しておきます。(Shopify Academy)
費用は一度では終わりません。バッジの有効期間は取得から2年で、維持するには受け直しが必要です。(Shopify Academy)
日本語で受験できるのは3件です。Shopify販売の基礎評価、ソリューションプランニングの基礎評価、Shopify開発の基礎の認定試験で、いずれも149ドルです。同じヘルプページには英語のみという記述も併存しています。
この3件だけでPlusのクレデンシャル要件に届きます。Verified Skillsの10個は組織の累計なので、4名が3件ずつ取れば12個・4名となり、10個・3名を満たします。受験料の合計は1,788ドル。ここは記載規則からの自社計算です。
Tiering Guideはこのクレデンシャルを2026年について免除し、商業活動だけで評価すると記載しています。一方でDirectoryの参加条件はVerified Skillsを10個と保有者3名以上を要件に挙げ、Academyの案内も同ガイドの2.4節と2.5節を最低ラインの参照先に示しています。
一致しているのは50万ドル・250万ドル・2件・40件の4つで、食い違うのはクレデンシャルだけです。どちらを正とするかは、Shopifyへの確認が必要です。
5.案件が動き出した直後の手続きで初年度の入金は変わる

契約して構築を始めるまでの数週間に、後から取り返せない手続きが集まっています。順序を外すと、条件を満たしていても報酬の対象から落ちます。逆に、書類を1本先に出しておくだけで確定するものもあります。
5-1. Plusリードは営業接触前に出して30日以内に商談化させる
2,500ドルが付くかどうかは、リードを出すタイミングで決まります。収益FAQが挙げる条件は4つです。マーチャントがShopifyの営業と話し始める前に提出すること、共同販売の案件が提出から30日以内にオープンすること、PlusまたはEnterpriseの契約として成約すること、そしてマーチャントが純GMVで5,000ドルを超える売上を作ることです。(収益モデルFAQ)
提出先はPartner Dashboardに限られます。問い合わせフォームから送っても、営業担当へ直接連絡しても、有効なリードになりません。
これだけでは足りません。リードが適格と認められる条件が別に2つあり、収益ページはどちらも提出から90日以内に満たす必要があると定めています。1つはCRMに営業機会が作成される前にリードが登録されていること。もう1つは、パートナーがマーチャントの情報一式を営業チームへ渡し、必要に応じて紹介やハンドオフに参加することです。(パートナーの収益)
30日を過ぎて期限切れになった場合は出し直せます。マーチャントの関心が続いていて、最初の提出以降に営業と接触していなければ、情報を更新して再提出できます。一方で、別のパートナーが先に有効なリードを出していた場合は、出し直しても付きません。
一時金と決済の利益シェアの帰属も、ここで決まります。案件がオープンする前に最初の有効なリードを出したパートナーが受け取ります。継続シェアの帰属だけは別の基準で動きます。(収益モデルFAQ)
情報一式には、本社の所在地、想定売上、予算の確認、導入時期などが含まれます。提出のタイミングだけ守っても、この受け渡しをやらなければ2,500ドルは出ません。90日を過ぎて営業機会が作成されなければ、リードは失効します。(パートナーの収益)
5-2. 共同販売Plusの継続シェアはSOWの締結で確定する
条件は2つです。Launch Partnerとして指名を受けることと、SOWを結ぶこと。SOWは成約の前にShopify営業へ渡します。(収益モデルFAQ)
成約したあとに出したSOWは、期限に間に合いません。メールでのやり取りによる確認と、マーケティングやSEOだけを請け負うリテイナー契約は、どちらも有効なSOWの扱いから外れます。
Raboに届く相談で多いのが、SOWを出したのに入金が始まらないという話です。SOWが案件に紐づいたかどうかを、パートナー側の管理画面で確認する手段はありません。確認の窓口は担当のShopify営業だけです。
2025年7月より前にオープンした案件は、別のルールで動きます。SOWではなく、案件がオープンする前に最初のリードを出していることが条件です。
5-3. 4年の起算は初回の支払いなので課金開始が遅れれば後ろにずれる
起点は最初のパートナー支払いが発生した時点です。ローンチした日ではありません。(パートナーブログ)
レベニューシェアは、マーチャントが初回の請求を払ってから起算します。無料トライアルの期間中は発生しません。プラットフォームのクレジットで払った請求も、決済が失敗している期間も同じです。(収益モデルFAQ)
課金の開始が2か月遅れれば、4年の終わりも2か月後ろへずれます。長いトライアルを付けた案件では、その分だけ受け取る期間が後ろへ動きます。
決済系の系統は、起算の基準が別です。B2B決済の利益シェアは最初のB2B取引から、Shop Pay off Shopifyの報酬は最初の取引から数えます。
5-4. 初回の入金は30日の保留を通ってから支払いサイクルに乗る
マーチャントが最初の請求額を払ってから、30日の保留を挟みます。決済が承認されたことを確認するための期間です。(支払いを受け取る)
保留は新しい紹介ごとに毎回かかります。案件を重ねるたびに、その案件の初回だけ入金が後ろへ動きます。明けたあとは通常の支払いサイクルに乗ります。
30日という数字は、制度の中に3つあります。リードの有効期限、この初回入金の保留、そして一時金の支払期限です。一時金は要件をすべて満たしてから30日以内に届きます。混同すると入金予定がずれます。
計上期間の区切りは公式内で食い違います。日本語の支払いページは3つの区分、英語の収益FAQは2つの区分で書いています。支払いが月2回である点は両方で一致します。暦の詳細とサイクルの全体像は【Shopifyパートナーのなり方】にまとめています。(支払いを受け取る/収益モデルFAQ)
6.よくある質問

旧Shopify Expertsや旧Plusパートナーという表記を今も見かけるのはなぜか
3つのブランドが、段階的に終了したためです。Shopify Expertsとそのマーケットプレイスは2023年12月、Plusパートナープログラムは2024年12月、Plus Certified App ProgramとTechnology Trackのティア表記は2025年12月で終了しています。テクノロジー系の移行先はCertified Technology Partner Programです。(プログラムについて)
廃止日以降、これらのブランド名は使いません。ただし過去の記事やパートナー自身のサイトに残っているため、検索すると今も出てきます。現行の呼び方と5段階の内訳は【Shopifyパートナーとは?種類と5段階ランクの昇格要件】にあります。
会社の買収や合併でレベニューシェアを受け取る権利は引き継げるのか
自動では引き継げません。Launch Partnerの地位は第三者へ譲渡できず、買収や合併の場面でも同じです。Shopifyの事前の書面による同意が必要です。(収益モデルFAQ)
公式ヘルプは、大きな組織再編の前にPartner Success Managerかサポートへ相談するよう促しています。継続シェアは元の請求ストアに紐づくため、再編で請求先が動くと受け取りが止まる可能性もあります。
自社で運営しているストアからパートナー報酬を受け取れるのか
受け取れません。公式ヘルプは、自分が全体または一部を運営しているストアでパートナー報酬を集めることを不正行為と位置づけ、パートナープログラムからの除名の根拠になると記載しています。(収益モデルFAQ)
範囲は契約本文で定義されています。パートナーが全体または一部を作成もしくは所有する紹介マーチャントには報酬を支払わない、という規定です。パートナーの雇用主が所有する場合と、パートナーがそのマーチャントに雇用されている場合も対象外です。(パートナープログラム契約)
自社でD2Cブランドを持つ制作会社では、ここが実務に触ります。パートナーアカウントでクライアント移管ストアを作り、そのまま自社ブランドの店舗として運用する流れが該当します。
まとめ

2026年8月10日からの新条件は、20%の料率を据え置いたまま期間を4年に区切り、適格オンラインGMVの0.1%を足す形です。Shopifyとの共同販売Plusだけは、料率が15%から20%へ上がります。どちらが適用されるかは、リード提出とローンチとPlus開始のどの日付を見るかで分かれます。
手取りは公式の種類ではなく、4つの経路で決まります。構築と紹介はShopifyから受け取り、アプリとテーマはShopifyへ支払う側です。公式試算ではAdvanced1件の4年合計が5,872ドルで、内訳はサブスク連動分が2,872ドル、GMV連動分が3,000ドルです。
初年度の現金は一時金で作り、残りの3年を継続シェアとGMV連動分で伸ばす形が設計の骨格になります。ランクを上げても料率は動かず、変わるのはDirectory掲載による送客です。案件が動き出した直後は、リードの提出とSOWの締結の順序が入金額を左右します。
発注する側から見た提案の変わり方は【新報酬制度で構築会社の提案はどう変わる?発注者が知るべきポイント】で扱います。
8月10日をまたぐ案件の条件判定や、リード提出とSOWの順序の組み立てに迷うときは、Raboの無料相談をご活用ください。現役パートナーとして、案件ごとの適用条件を一緒に確認します。
参考文献
・パートナーブログ|Shopifyパートナーブログ「A new partner earning model」
・収益モデルFAQ|Shopifyヘルプ「Shopify Partner earning model FAQ」
・支払いを受け取る|Shopifyヘルプ「支払いを受け取る」
・プログラムについて|Shopifyヘルプ「パートナープログラムについて」
・パートナーの収益|Shopifyヘルプ「Shopify Partner earnings」
・Directory参加条件|Shopifyヘルプ「Join the Partner Directory」
・アプリの構築と収益化|Shopifyヘルプ「Building and monetizing apps with Shopify’s APIs」
・App Storeレベニューシェア|shopify.dev「Shopify App Store revenue share」
・Theme Storeレベニューシェア|shopify.dev「Theme Store revenue share」
・Tiering Guide|Shopify Partner Program Tiering Guide(Service Track)
・パートナー用語集|Shopifyヘルプ「Shopify Partners glossary」
・パートナープログラム契約|Shopify「Partner Program Agreement」(2026年2月27日更新)
・Shopify Academy|Shopifyヘルプ「Shopify Academy」
・Plus料金ページ|Shopify Plus料金ページ
・Shopify for enterprise|Shopifyヘルプ「Shopify for enterprise」
・日本の決済手段|Shopifyヘルプ「Customer payment methods with Shopify Payments in Japan」












