ポイント制度は、買い物のたびに残高が貯まり、次の買い物で値引きとして使える仕組みです。次に来る理由を顧客に渡すことで、リピート率を上げる狙いがあります。
制度を作るときは、まず付与率をどうするかという話から入ります。1%にするか、3%にするか。
ただ、配ったポイントがそのまま使われるわけではありません。残高は次に来る理由として働きますが、顧客が再訪して注文しなければ動きません。
使われた分だけが、値引きの原価として確定します。顧客が値引きを受けられるのも、使えた場合に限られます。
使われるかどうかを決めているのは、アプリの仕様です。カート画面のどこで使えるのか、端数まで使い切れるのか、自社のセールと併用できるのか。
本記事では、この3つの仕様と、成長段階で変わる料金の見方を整理します。
- 1.アプリの性能差だけでは使い勝手の差は説明できない
- 1-1. ポイント機能はアプリが値引きを呼び出して実現している
- 1-2. Shopifyの値引きは商品・注文・配送の3つのクラスで管理される
- 1-3. ポイント利用の場所はカート画面までが標準
- 2.付与率の高さと使われるポイントの量は比例しない
- 2-1. 付与したポイントのうち実際に使われるのは一部にとどまる
- 2-2. 付与したポイントは使われた分だけが原価になる
- 3.ポイントが使われるかどうかはアプリの3つの仕様で決まる
- 3-1. 仕様1|カートで直接引くかクーポンに変換するか
- 3-2. 仕様2|端数まで使い切れるか差額が消えるか
- 3-3. 仕様3|自社のセールと同時に使えるか
- easyPoints
- どこポイ
- MR.POINT
- ポインポン
- 4.ポイントアプリの月額は顧客数と注文数のどちらで上がるか
- 4-1. 課金の起点は過去の残高か当月の注文か無連動のいずれか
- 4-2. 同じ起点でも数える対象が違えば月額は変わる
- 4-3. 新規中心かリピート中心かで負担の軽い型が入れ替わる
- 4-4. 移行の費用は導入時と乗り換え時の両方で発生する
- 5.ポイント残高の増減はアプリの設定と運用の組み合わせで変わる
- 5-1. ポイントの付与は発送の完了が基本の起点になる
- 5-2. 返品時のポイント取消に完全な自動処理はない
- 5-3. 付与率を下げても既存残高分の原価は遅れて減る
- 5-4. 有効期限を後から付けるときは起算日と猶予期間を確認する
- まとめ
1.アプリの性能差だけでは使い勝手の差は説明できない

ポイントアプリを比較すると、機能表には似た項目が並びます。同じ項目に見えても、実際の使い勝手には差が出ます。理由は、ポイントの値引きがShopifyの機能を通して実行される点にあります。
Shopify側に用意がない使わせ方は、どのアプリでも作れません。ポイントを使える画面と、自社のセールと同時に使えるかどうか。この2つが代表例です。
1-1. ポイント機能はアプリが値引きを呼び出して実現している
Shopifyの標準機能にポイント制度はありません。残高の管理と値引きの実行を、アプリとShopifyが分担しています。
誰が何ポイント持っているかを記録するのはアプリです。Shopifyの管理画面に残高を表示できるアプリもありますが、数値を動かす処理はアプリ側にあります。
顧客がカートで「500ポイント使う」を選ぶと、アプリは残高を500減らします。同時に、500円分の値引きを適用するようShopifyへ指示を出します。
会計金額を引く処理そのものは、Shopify側の値引き機能が担当します。
比較の軸も、この分担に沿って決まります。付与のルールを見る軸と、使うときの挙動を見る軸です。
付与のルールはアプリの領分です。会員ランクごとの付与率変更、特定商品の倍付与、誕生月の加算。ここはアプリごとの機能差が出ます。
使うときの挙動は、Shopify側の制約を受けます。アプリの設定画面にない項目は、値引き機能の側に選択肢がない場合があります。
リピート率と直結するのは後者です。
1-2. Shopifyの値引きは商品・注文・配送の3つのクラスで管理される
Shopifyの値引きには、値引き額を差し引く対象が3つあります。商品の価格から引くか、商品代金の合計から引くか、送料から引くかです。
管理画面では、それぞれ商品ディスカウント、注文ディスカウント、配送ディスカウントと呼ばれます。この3つの区分を、以降はクラスと表記します。
どのクラスでポイントを引くかにより、自社のセールと同時に使えるかが変わります。
併用できる組み合わせは、クラスごとに決まっています。条件が付くものと、プランで制限されるものがあります。
| 組み合わせ | 条件 |
|---|---|
| 注文+配送/商品+配送/別商品への商品同士 | 全ストアで可 |
| 商品+注文/注文+注文 | Checkout Extensibility利用が要件 |
| 同一商品への商品同士 | Shopify Plusのみ |
| 配送+配送 | 不可 |
もう1つ前提があります。ディスカウントは自動では組み合わさりません。それぞれの設定画面で、組み合わせを許可するクラスを指定する必要があります。
自社が普段どのクラスで値引きを出しているか。ここを先に確認しておくと、アプリの比較で見るべき項目が絞れます。
1-3. ポイント利用の場所はカート画面までが標準
ポイントを使う操作は、多くのストアでカート画面に置かれます。置ける場所がそこまでに限られているためです。チェックアウト画面にアプリの要素を追加できるのは、Shopify Plusのストアに限られます。
チェックアウト画面はShopifyが管理する領域で、カスタマイズできる範囲に制限があります。アプリがポイント入力欄を差し込める場所は、実質的にカートまでです。
カートでポイントに気づかず進んだ顧客は、支払い直前でクーポンコード欄を見つけます。入力欄がそこにないため、カートまで戻る操作が挟まります。値引きを受けられたはずの顧客が、残高を残したまま注文を終えます。
カート画面での見せ方が、ポイントの使われ方を左右します。残高が表示されているか、入力欄が折りたたまれていないか。アプリを試す段階で実機を確認しておくと差が把握できます。
2.付与率の高さと使われるポイントの量は比例しない

付与率を決めたあと、次に見る数字が問題になります。配った量ではなく、使われた量です。
リピート率を左右するのも、原価が発生するのも、顧客がポイントを使った時点です。この章では、その量が何で決まるのかを整理します。
2-1. 付与したポイントのうち実際に使われるのは一部にとどまる
付与率を上げても、使われるポイントは同じようには増えません。
付与率は、購入金額の何%をポイントで渡すかという設定です。1%を2%に変えれば、顧客に配るポイントは2倍になります。ここは設定どおりに動きます。
使われる量はそうなりません。配ってから使われるまでに、再訪という工程が1つ挟まります。再訪しなかった顧客の残高は残り、再訪しても使う操作にたどり着けなければ残ります。
残高が残っていること自体には、再訪を促す働きがあります。ただ、使う場面にたどり着けない状態が続くと、得をした実感は生まれません。
制度の状態を測る指標が、使用率です。付与した量のうち、どれだけが使われたかを示します。
自社で測るには、期間を区切って付与量と使用量を並べます。
初回の数字が出たら、施策を打つ前の基準として記録しておきます。
使用率を決めているのは、顧客がポイントを使う場面の作りです。
2-2. 付与したポイントは使われた分だけが原価になる
1万ポイントを配った時点では、まだ原価は出ていません。顧客が使った時点で、値引きとして確定します。
付与済みで未使用の残高は、将来値引きに応じる金額の見込みです。制度を続けるほど積み上がり、いつ店舗の負担に変わるかは顧客の来店次第になります。
使用率を上げる施策を打てば、原価も同時に増えます。使いやすくすることは、値引き総額を増やすことと同じです。
目標とする使用率を先に決め、そのときの値引き総額を試算しておく手順が実務的です。
3.ポイントが使われるかどうかはアプリの3つの仕様で決まる

使用率を左右する仕様は、機能一覧では横並びに見えます。実際に差が出るのは、利用方式、端数の扱い、自社セールとの併用条件の3つです。
比較の対象は、日本語で提供されているポイントアプリのうち、課金の起点と利用方式が異なる4本です。付与機能の多寡ではなく、使う場面の作りで比較します。
| easyPoints | どこポイ | MR.POINT | ポインポン(Poing Pong) | |
|---|---|---|---|---|
| 利用方式 | カートで直接値引き | カートで直接値引き | カートで直接値引き | クーポンに変換 |
| 端数の扱い | 1ポイントから利用可 | 1ポイント単位(利用単位の制限も設定可) | 公開情報に記載なし | 1ポイント単位 |
| 併用条件 | 商品クラス。相手を注文クラスで作成 | 商品・注文・配送と併用可 | 注文クラス。相手に注文クラスとの組み合わせ設定が必要 | 注文クラス。同左 |
3-1. 仕様1|カートで直接引くかクーポンに変換するか
ポイントの使い方は、カートで残高から直接引く方式と、いったんクーポンコードに交換してから使う方式です。
この違いにより、顧客が値引きに到達するまでの手数が変わります。
直接値引き型では、カート画面で使用するポイント数を入力します。その場で小計が下がり、そのまま決済へ進みます。
クーポン変換型では、まずマイページで交換の操作をします。500ポイントを500円分のクーポンに変えたうえで、カートに戻ってコードを入力します。
交換後に注文をやめた場合、扱いが問題として残ります。ポインポンでは発行したクーポンを顧客側で取り消せず、残高は減ったままです。戻すには店舗が管理画面から手作業で復元します。
比較した4本では、直接値引き型が3本を占めます。交換型はポインポンの1本で、変換の単位は店舗側が設定します。交換型を選ぶ理由は、クーポン単位で使用期限や対象商品を絞りたい場合に限られます。
3-2. 仕様2|端数まで使い切れるか差額が消えるか
ポイントの使用単位は、アプリの設定で変えられます。100ポイント単位にすると、単位に満たない残高は使えないまま残ります。
380ポイントを持つ顧客が使える上限は300ポイントです。残る80ポイントは、次に付与を受けて100に届くまで滞留します。
どこポイは利用単位に制限をかける設定を持ち、ポインポンはクーポンへの変換単位を店舗側で決めます。単位を1ポイントに近づけるほど、使い切れる範囲は広がります。
反対の端でも、使えない分が出ます。注文金額を上回るポイントは、差額として消えます。
ポインポンの公式マニュアルには、2,000円分のクーポンを商品1,500円と送料800円の注文に使った例が載っています。適用は1,500円分にとどまり、500円分は消失します。送料には使えないためです。
easyPointsでも超過分は返還されません。どこポイは小計を超えるポイント数を入力した時点でエラーを表示し、チェックアウトへ進めません。
easyPoints、どこポイ、ポインポンはいずれも1ポイントから利用できます。導入前に、単位の下限と超過したときの挙動を確認しておきます。
3-3. 仕様3|自社のセールと同時に使えるか
ポイントの値引きが自社のセールと同時に使えるかは、アプリごとに条件が違います。選定時に突き合わせる相手は、自社が普段出している値引き施策です。
ポイントの値引きは、Shopifyのディスカウントとして処理されます。どのクラスで発行されるかで、併用の条件が決まります。
発行クラスが公開されているのは3本です。easyPointsは商品ディスカウント、MR.POINTは注文ディスカウントとして処理されます。ポインポンも注文ディスカウントです。
どこポイは公式マニュアルに発行クラスの記載がありません。商品・注文・配送の各ディスカウントと併用できる、という案内にとどまります。
自社セールを注文ディスカウントで出しているとします。easyPointsとは商品と注文の組み合わせ、MR.POINTとポインポンでは注文同士の組み合わせになります。
どちらにもShopify側の要件が付きます。チェックアウト画面の新しい拡張方式であるCheckout Extensibilityを使っていること。旧方式のcheckout.liquidをカスタマイズしていないこと。
どこポイは発行クラスが分からないため、この整理には乗りません。注文ディスカウントとの併用は公式マニュアルに記載があり、実際の挙動は導入前のテストで確認します。
いずれの場合も、Shopify管理画面で組み合わせの設定が必要です。設定しないまま運用すると、顧客はセールとポイントのどちらか一方しか使えません。
easyPoints
1ポイント=1円の直接値引きで、商品ディスカウントとして処理されます。会員ランクやキャンペーンは個別購入にも対応しています。
どこポイ
ほぼ全機能を全プランで開放しています。Shopify Flowの定期実行トリガーはプロ以上です。商品・注文・配送の各ディスカウントと併用できます。
MR.POINT
月間の注文件数で上限が決まる課金です。有効期限とポイント自動キャンセルはENTERPRISEプラン以上で使えます。ポイントを使える注文金額の下限と上限も指定できます。
ポインポン
顧客数や注文数に連動しない定額制です。ポイントをクーポンに変換して使う方式で、レビュー機能も含みます。
レビューアプリ単体の比較はShopifyレビューアプリおすすめ5選|口コミがCVRを上げる設定方法にまとめました。無料プランの範囲や、写真と動画の受け取り方まで確認できます。
本記事の内容は2026年8月時点の公開情報にもとづきます。料金と機能は変更される場合があるため、導入前に各ページでご確認ください。
3つの仕様のうち、自社で最も強く働くものを見極めるには、現在の値引き施策とカート周りの構成を洗い出す必要があります。 この洗い出しから、Raboが対応しています。ポイントプログラムを含む構築事例は、次のページで確認できます。
4.ポイントアプリの月額は顧客数と注文数のどちらで上がるか

ポイントアプリの料金は、導入時点の月額だけでは比較できません。運営を続けるうちにプランが上がる場面が来ます。
引き金になる数字はアプリごとに違い、この差が2年目以降の負担を左右します。
4-1. 課金の起点は過去の残高か当月の注文か無連動のいずれか
月額が上がる起点は3つあります。顧客数連動型、注文数連動型、無連動型です。
顧客数連動型は、ポイントを持つ顧客の人数でプランが決まります。過去に付与した分が累積で残る形です。
注文数連動型は、その月の注文件数で上限が決まります。上限を超えるとアプリ自体が使えなくなるため、超える前にプランを上げるか件数を追加します。
無連動型は定額です。顧客数も注文数も増えたまま、月額は変わりません。
| 課金起点 | アプリ | 基本料金 |
|---|---|---|
| 顧客数連動 | easyPoints | $0〜$998 |
| 顧客数連動 | どこポイ | $0〜$997 |
| 注文数連動 | MR.POINT | $26〜$130 |
| 無連動 | ポインポン | $20(単一プラン) |
料金はいずれも米ドル建てです。
顧客数連動型で注意が必要なのは、課金の対象になる人数が減りにくい点です。2年前に1回だけ購入した顧客も休眠のまま数えられ、売上が横ばいでも人数だけが積み上がります。
注文数連動型では、閑散期に件数が減っても上限は変わりません。繁忙期を基準にプランを選びます。
自社の売上が顧客数と注文数のどちらに連動して伸びるかを先に見ておくと、合う型を判断できます。
4-2. 同じ起点でも数える対象が違えば月額は変わる
顧客数連動型どうしでも、何を1人と数えるかの定義が異なります。同じ会員数でも、プランの上限に到達する時期がずれます。
easyPointsのアクティブユーザーは、1ポイント以上を保有し、有効期限の期間内に注文や特典で獲得のあった顧客です。休眠すると課金対象から外れます。
どこポイは登録ユーザー数で数えます。ポイント機能を一度使った顧客は、その後動きがなくても課金対象に残ります。
動いている顧客だけを数えるか、一度触れた顧客を数え続けるか。会員1万人のストアでも、課金対象は数千人にとどまる場合と、1万人に近づく場合に分かれます。
料金ページに定義が明記されていない場合は、問い合わせて確認します。自社の会員データを持ち出して、その定義で数え直した人数を出しておくと比較できます。
4-3. 新規中心かリピート中心かで負担の軽い型が入れ替わる
新規流入が多い店舗では、顧客数が注文数より速く増えます。1人あたりの購入回数が少ないため、顧客数連動型ではプランが早く上がります。
リピート主体の店舗では、注文数連動型で負担が増えます。
料金と機能の関係にも、設計思想の違いがあります。
easyPointsは上位プランほど使える機能が増える段階開放型ですが、必要な機能だけを個別購入できます。どこポイはほぼ全機能を全プランで開放しています。作業の自動化ツールであるShopify Flowのうち、決まった時刻に処理を走らせるトリガーだけがプロ以上です。
最上位はeasyPointsが998ドル、どこポイが997ドルとほぼ同額です。差が出るのは中位以下の考え方です。
MR.POINTは有効期限とポイント自動キャンセルをENTERPRISE以上に置いています。
導入時点の月額ではなく、想定する成長段階での月額を並べて比較します。
4-4. 移行の費用は導入時と乗り換え時の両方で発生する
easyPointsでは、CSVインポートはフリープランから使えますが、CSVエクスポートはプロプラン以上です。同じ移行でも、向きによって条件が変わります。
費用は、他社から残高を引き継ぐときと、将来別のアプリへ移るときに発生します。導入時の取り込みだけを見ていると、後者を見落とします。
| アプリ | 取り込み | 取り出し |
|---|---|---|
| easyPoints | CSVインポート(全プラン) | CSVエクスポート(プロ以上) |
| どこポイ | 有償パッケージ 1回300ドル | CSVエクスポート |
| MR.POINT | CSVインポート(全プラン) | 都度申請 25ドル |
| ポインポン | CSVインポート | CSVエクスポート |
どこポイは他社からの移行を有償のパッケージで対応し、1回300ドルです。取り出しはCSVエクスポートに対応しています。
MR.POINTは全プランでCSVインポートを使えます。取り出しは顧客ポイント残高エクスポートで、都度申請の25ドルです。
ポインポンはCSVでの取り込みと取り出しに対応します。公式サイトでは、導入サポートやデータ移行は別途有償となる場合があり、金額は見積もりと案内されています。
導入の時点で、取り出しの条件も確認しておきます。
移行を含めた構築全体の段取りは、Shopify構築の流れ|要件定義〜公開の全ステップで要件定義から公開まで追えます。
5.ポイント残高の増減はアプリの設定と運用の組み合わせで変わる

ポイントの残高は、注文のたびに増え、使用のたびに減ります。ただ、増減が起きるタイミングはアプリの設定と運用の組み合わせで変わります。
タイミングを把握しておくと、制度の条件を後から変更する際に、どの順序で進めればよいかを判断できます。
5-1. ポイントの付与は発送の完了が基本の起点になる
付与のタイミングには2つの型があります。注文が入った時点で付与する型と、発送が完了してから付与する型です。キャンセルが発生した際の手間が変わります。
注文時付与では決済の完了時に残高が増えますが、キャンセルや返品のたびに取り消す処理が要ります。発送後付与では、その対象が付与前にふるい落とされます。
4本のうちMR.POINTは、付与のタイミングを変更できます。この設定は全プランで使えるため、どちらの型にも寄せられます。
他の3本は、発送の完了を起点としています。
easyPointsは支払いと発送の完了後に付与し、保留期間の設定でさらに遅らせられます。ポインポンは全商品の出荷時です。
どこポイは注文完了時に付与予定として記録し、全フルフィルメントの作成後、設定した日数を経て付与済みに変えます。発送前に一部をキャンセルすると、付与予定の分が自動で差し引かれます。
付与までの日数を長く取れるアプリであれば、後払い決済の入金確認にも合わせられます。
5-2. 返品時のポイント取消に完全な自動処理はない
返品時にポイントを戻す処理は、返金操作に含まれる場合と、別作業になる場合があります。
確認できた3本に、完全な自動処理はありません。条件付きで自動になるもの、プランに依存するもの、手動のみのものがあります。
どこポイは商品単位での全額返金時のみ自動調整を行います。一部返金や返金なしの場合は、利用分と返金分を手動で調整します。
MR.POINTでは、ポイント自動キャンセル機能がENTERPRISEプラン以上で使えます。下位の2プランは手動です。
ポインポンは付与後のポイント増減処理を行いません。全品発送前のキャンセルではクーポンが取り消されて戻りますが、発送完了後は手動補正が必要です。
手動で対応する場合、問題になりやすいのは処理漏れです。返品対応は問い合わせ受付、返送確認、返金処理と続き、末尾にポイント調整が加わります。月に数十件を超える規模では、漏れた分が残高として残ります。
返品率と処理件数から自動対応の要否を判断し、手動で行う場合は手順書にポイント調整の工程を明記しておきます。
5-3. 付与率を下げても既存残高分の原価は遅れて減る
付与率を3%から1%に変えると、その日以降に配る量は3分の1になります。ただし値引き総額は、同じようには下がりません。
すでに配った残高は、使われるまで残り続けます。引き下げの対象は、変更後に付与される分だけです。
残高を持つ顧客が来店して使うまで、原価は発生し続けます。
残高の総量と平均的な使用ペースが分かれば、下がりきるまでの期間を見積もれます。
付与率の変更は、既存会員にとって条件の変更にあたります。変更日と対象になる範囲を決めて、事前に告知します。
引き下げの効果を月次で追う場合は、付与量と値引き総額を別々に見ます。片方だけでは、変更が反映されているかを判断できません。
5-4. 有効期限を後から付けるときは起算日と猶予期間を確認する
有効期限を後から追加するとき、確認が要るのはすでに配った残高です。いつから失効が始まるかは、アプリごとに違います。
ポインポンには猶予期間があります。有効期限をなしからありに変更すると、設定日に有効日数を加算した日が処理開始日として記録されます。長く購入のない顧客の残高が、翌日に消えることはありません。
失効の判定には最終付与日、最終購入日、顧客作成日の3つを使い、すべてが過去日になった場合に失効します。期限が延びるきっかけは付与だけで、使用や調整による減算では更新されません。
MR.POINTでは、有効期限を設定した状態でデータ移行を行うと、更新日からの期限が設定し直されます。移行と期限設定の順序で結果が変わります。
プランによる制約もあります。どこポイは無料プランから使え、easyPointsは下位プランでも個別購入で追加できます。
MR.POINTはENTERPRISEプラン以上で、有効期限とポイント自動キャンセルが同時に開放されます。
期限を後から付けたい場合と、返品処理を自動化したい場合の両方が、同じプラン引き上げの判断に集まります。
確認する項目は2つです。失効の起算に何の日付を使うか、設定直後の失効を防ぐ猶予があるか。告知の日程は、この2つが分かってから決めます。
まとめ

ポイント制度の設計は、付与率の設定から始まりがちです。ただ、リピート率と原価の両方を動かすのは、付与した量のうち実際に使われた割合です。
使用率を左右する仕様は3つあります。カートで直接引くか交換を挟むか、端数まで使い切れるか、値引きのクラスが自社セールと重ならないか。
スマートフォンからの注文が多い店舗であれば利用方式です。セールを頻繁に実施する店舗であれば併用条件、付与の刻みが細かい制度であれば端数の扱いになります。
交換型は画面の行き来が増えるため、モバイル中心の店舗ほど手数の差が出ます。
このうち1つを決めてから、候補アプリを絞り込みます。
料金は、導入時点の月額では判断できません。顧客数と注文数のどちらが先に増えるかを見て、課金の起点が自社の伸び方と合う型を選びます。
アプリ選定と制度設計をまとめて相談できます
ポイントアプリの選定は、自社の値引き施策とカート周りの構成を確認したうえで判断する必要があります。導入後に動作の違いに気づくと、残高を持ったまま移行することになります。 Raboは、Shopifyの認定パートナー制度における「Shopify Select Partner」です(2026年8月時点)。ストア独自のポイントプログラム設計も手がけています。 月額¥29,800からの運用サポートを提供しています。アプリの選定と制度の設計からご相談いただけます。実装を含む対応は上位プランで承ります。












