2025年のShopify Editions Summer ’25では、開発者向けのアップデートが過去最大規模で展開されました。その中心にあるのが、Shopifyが新たに導入した次世代開発基盤「Horizon」です。これにより、ストアのカスタマイズ・拡張・運用がより高速かつ柔軟になり、開発者体験が大きく進化しました。
この記事では、Shopify Functionsの進化やWeb Componentsの登場、GraphQL/Admin APIの強化など、開発業務に直結する変更点をカテゴリ別にわかりやすく整理。非互換性のリスクや、今後の開発体制への影響についても丁寧に解説します。
Shopifyでアプリやテーマ開発、バックエンド連携などを行う担当者にとって、何が変わり、何をすべきかが一目で分かる内容となっています。これからの開発に備えるためのチェックリストとしても、ぜひご活用ください。

- 1. 開発者にとってのSummer ’25の意義
- 1?1. なぜ開発者向けアップデートが注目されるのか?
- 1?2. Shopifyが目指す開発者体験の未来像
- 2. 開発者に直結する主要アップデート
- 2?1. Shopify Functionsの進化(非同期/バッチ対応)
- 2?2. Storefront Web Components:どこでも埋め込み可能なストア機能
- 2?3. AI支援の.dev AssistantとMCP Server
- 2?4. Admin API/GraphQL APIの拡張と制限緩和
- 2?5. Metaobject・Metafield定義の簡素化
- 3. 非互換性と移行時の注意点
- 3?1. 古いテーマ・Script Editor・旧APIの影響
- 3?2. カスタムアプリ・連携ツールへの影響範囲
- 4. 実装に向けた現実的ステップ
- 4?1. Horizon対応のチェックとリファクタリング指針
- 4?2. テスト導入時の開発フロー例
- 4?3. ドキュメント整備・開発チームとの共有ポイント
- 5.まとめ
1. 開発者にとってのSummer ’25の意義
Shopify Summer ’25は、150 以上の新機能を一挙に投入する大型リリースです。今回は「開発者が最短距離で価値を届ける」というテーマが色濃く、バックエンド拡張からフロント実装、そして AI までが横串で強化されています。
1?1. なぜ開発者向けアップデートが注目されるのか?
コマース API の急速進化
??新しい販売形態(サブスク/バンドル/B2B)を実装できる API が四半期ごとに追加され、キャッチアップは必須。
機能追加・技術負債
??一機能=一 Functionsという設計方針により、ロジックを疎結合で保ちつつ小さくデプロイできる。
市場要請
??Shopify 上に構築されたアプリ経済圏は 1 兆円規模へ伸長。新API対応の早さが競争力を左右する。
1?2. Shopifyが目指す開発者体験の未来像
Shopify は今回、「Declarative/AI-first/Web-Component ベース」を開発者体験DXの3本柱に据えました。
・Declarative: TOML 定義ファイルを書くだけでメタデータを全ストアへ自動展開。
・AI-first: .dev Assistant がローカル IDEでGraphQLスキーマやベストプラクティスを即時提示。MCP Server はこの AI にリアルタイム・ドキュメント検索を供給する。
・Web Components: Polaris/Vanilla の境界を超えた共通 UI が提供され、再利用性が向上。
Shopify構築完全ガイド|スキル・準備・設定方法を徹底解説!についてはこちらの記事もぜひご覧ください!


2. 開発者に直結する主要アップデート
Summer ’25 で最も開発効率に影響するのは Functions 2.0、Storefront Web Components、そしてAI支援ツール群です。この章ではアップデートの詳しい内容について紹介していきます。
2?1. Shopify Functionsの進化(非同期/バッチ対応)
[これまで]
・同期実行のみ
・5 本/ターゲット
[Summer ’25 ]
・非同期実行 (Async Jobs) ? 在庫計算や外部 API 呼び出しをバックグラウンドで実行
・25 本/ターゲット & バッチ実行 ? 複雑ロジックを小分けデプロイ
・バッチは max_batch_seconds=5 パラメータで制御
「簡単にいうと」
時間がかかる処理も裏で走らせられるようになり、書ける関数の数も5倍に増えたので、大きな処理を分割してもストアが重くならない。
これにより、決済カスタマイズ・配送制約をワンリクエストで整理でき、レイテンシも約40%改善。
バッチ関数は idempotency key を必ず実装し、再試行に備えましょう。
2?2. Storefront Web Components:どこでも埋め込み可能なストア機能

shopify-product-cardやshopify-cartなどのWeb Component が公開。HTML 一行で「買い物かご」まで動くため、Headless CMS や静的サイトでも最短5分で購入フローを実装できます。SEO面ではSSR対応済み。
「簡単にいうと」
タグをコピペするだけでショップ機能が付くガジェットが公式提供されたイメージ。
2?3. AI支援の.dev AssistantとMCP Server

・.dev Assistant: Cursor や VS Code から ctrl + shift + S →「生成」を叩くだけで Functions 雛形が出力。
・MCP Server: AI が GraphQL スキーマを introspect し、フィールド名の打ち間違いを即警告。「ドキュメントを読む時間」が平均 38% 削減との社内ベンチマーク。
「簡単にいうと」
AIが横に座ってコードレビューと雛形作成を手伝ってくれる開発環境になる。
2?4. Admin API/GraphQL APIの拡張と制限緩和

・Uncapped GraphQL Counts ? first: 25000 制限が撤廃され、フィルタ条件付きクエリで実質無制限取得。
・Markets & Catalogs API ? 国ごとの税・通貨設定を 1 エンドポイントで一括更新。
・Rate Limit 可視化 ? x-shopify-shop-api-call-limit ヘッダに leaky bucket の残量が JSON で返り、ポーリング不要。
「簡単にいうと」
API の窓口が広がり、一度に取れる量も増えて、残り回数も見える化された。
2?5. Metaobject・Metafield定義の簡素化

・TOML 1 ファイルで定義 → shopify app deploy ?data で自動適用。
・バージョン管理が Git 内で完結し、環境間差分をレビューしやすい。
・Flow アクションとして metaobject 取得/リスト操作も追加。
「簡単にいうと」
設定をコードで一元管理でき、ミスなく本番に反映できるようになった。
Shopify構築完全ガイド|スキル・準備・設定方法を徹底解説!についてはこちらの記事もぜひご覧ください!


3. 非互換性と移行時の注意点
Summer ’25 の新機能は魅力的ですが、レガシー資産をそのまま残すと 2025~26 年に一斉停止が発生しかねません。ここでは「動かなくなるもの」「今すぐ準備すべきこと」「安全に進める手順」を整理します。
3?1. 古いテーマ・Script Editor・旧APIの影響
Shopify Scripts / Script Editor
??Functions 2.0 へ移行。既存スクリプトは実行されなくなる。
Thank you / Order status
??Checkout UI Extensions + Web Pixels で再構築。
Vintage テーマのカスタムタグ
??直書きスクリプトの互換保証なし。Theme App Extension へ置換が安全。
Script Editor と checkout.liquid は来夏までに引越し必須。放置すると決済エラーやサードパーティ連携が止まる可能性が高いです。
3?2. カスタムアプリ・連携ツールへの影響範囲
GraphQL型リネーム
??型生成ツール(Apollo/urql CodeGen など)
??API バージョンを固定し、型を再生成。
Webhook新仕様
??CHECKOUT_CONFIGURATION_UPDATE 新設
??Subscribe し直してイベント重複を防止。
Rate Limitの表示形式は従来通り
??既存リトライ実装
??X-Shopify-Shop-Api-Call-Limit を監視し続ければ OK

4. 実装に向けた現実的ステップ
新機能の概要と移行リスクを把握したら、次に必要なのは 「どの順序で、誰が、何を変えるか」 を明確にすることです。本章では、テーマ監査から Functions への書き換え、CI/CD 構築まで――開発チームが明日から動けるためのロードマップと具体的な手順を示します。
4?1. Horizon対応のチェックとリファクタリング指針
1.テーマ監査
・画像タグを コンポーネントへ置換し、Responsive Image API を利用。
・checkout.liquid が残っていないか確認し、Checkout UI Extensions へ移行(〆切 2025-08-28)。
2.Script → Functions 移行
・Script Editor で動いているロジックを Functions 2.0 へ書き換え。
・25 本/ターゲットまで分割できるので、機能単位で小さくデプロイすると保守が楽。
3.Metaobject/Metafield の宣言的定義
・shopify.app.toml など TOML ファイルにスキーマを記述 → shopify app deploy で同期。
・旧 API で手入力したメタフィールドは、graphql bulkOperation でエクスポート → TOML へ変換して再導入。
4.ストア別シークレット管理
・secrets..toml に API_KEY / DB_URL を分離。CI で環境変数を注入し、1 コードベース複数ストアを実現。
「簡単にいうと」
まずは古いスクリプトとcheckout.liquidを探して削除し、設定をTOMLにまとめてGit管理するという順序で進めれば安全。
4?2. テスト導入時の開発フロー例
1.DevStore生成
パートナー管理画面から 30 秒で作成。無料で無制限に持てる。
2.ローカル開発
shopify app dev –use-localhost で HTTPS を自動設定。社員用 VPN でも安定動作。
3.ライブプレビュー・共有
CLI が生成する 固定 URL を PR に貼れば、QA チームは本番そっくりの画面でレビュー可能。
4.CI → CD
例:GitHub Actions
テスト通過後だけ本番 Functions を更新し、ロールバックはタグを checkout で即復旧。
「簡単にいうと」
DevStoreで即確認 → PRにURL → テスト通過で自動デプロイという一本線が最速&安全。
4?3. ドキュメント整備・開発チームとの共有ポイント
スキーマ管理
??schema/ 配下に TOML, GraphQL SDL, JSON examples を格納し、PR で差分レビュー。
ADR (Architecture Decision Record)
??「なぜそうしたか」を必ず残す。
ナレッジ共有
??.dev Assistant のプロンプトと回答を GitHub Discussions にエクスポートして検索可能に。
デッドライン可視化
??Script Editor, checkout.liquid の廃止日をREADMEに赤字で記載。
自動ドキュメント
??CIで shopify app config pull –format markdown を実行し、最新設定を Wiki に上書き。
「簡単にいうと」
コードと同じリポジトリに何をどう決めたかまで記録し、CI がドキュメントを最新化しておけば迷子にならない。
Shopify構築完全ガイド|スキル・準備・設定方法を徹底解説!についてはこちらの記事もぜひご覧ください!


5.まとめ
Shopify Summer ’25 は、宣言的な TOML 定義、AI 支援ツール、Web Components の採用により「書く量を減らし、動かす速さを上げる」ことを狙った大型アップデートです。
古い Script Editor と checkout.liquid は廃止されるため、Functions 2.0 と Checkout UI Extensions への移行が急務。まずは dev store で既存スクリプトを Functions に置き換え、CLI v4 のライブプレビューで動作を確認しつつ、本番へは CI/CD で小さく段階的にデプロイする――これが最短かつ安全な道筋です。
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