「自社で作るか、プロに任せるか」。ShopifyでECサイトを立ち上げるとき、最初にぶつかる分かれ道です。
結論からいうと、人件費や機会損失まで含めれば、外注したほうが安く済むケースが大半です。
Raboへ届いたShopify構築の相談では、「3ヶ月自社で頑張ったけど結局公開できず、駆け込んできた」というケースも過去にありました。月商100万円のショップなら、この3ヶ月で消える売上は300万円。外注費の相場を上回る数字です。
では、何を見れば判断を誤らずに済むのか。自社・外注それぞれのメリット・デメリットを整理しながら、その判断軸を解説します。
- 目次
- 1. Shopify構築、自社でやるか外注するか?後悔しないための4つの判断軸
- - 1-1. 体制|社内に「構築できる人」はいるか?必要スキルの現実
- - 1-2. スピード|公開が1ヶ月遅れると、いくら損するか
- - 1-3. 費用|「安く済んだ」は本当か?外注費と人件費のリアル
- - 1-4. クオリティ|「とりあえず作る」と「売れる設計」の差
- 2. Shopifyを自社で構築するメリット・デメリット
- - 2-1. 自社構築のメリット
- - 2-2. 自社構築で見落としがちなデメリット
- - 2-3. 自社構築が向いている企業の特徴
- 3. Shopifyを外注で構築するメリット・デメリット
- - 3-1. 外注のメリット
- - 3-2. 外注で注意すべきデメリット
- - 3-3. 外注が向いている企業の特徴
- 4. 「まず自社で試して、ダメなら外注」はコストが2倍
- 5. 外注するなら誰に頼む?構築費用がムダにならない選び方
- - 5-1. 安さのフリーランス、品質の制作会社
- - 5-2. フリーランスへの依頼で実際に起きたnつのトラブル
- - 5-3. 迷ったらShopify公式認定パートナー
- - 5-4. 見積もり時に確認すべきポイント
- 6. よくある質問
- - 6-1. Shopify構築を外注すると、費用はいくらかかる?
- - 6-2. 構築にはどれくらいの期間がかかる?
- - 6-3. 公開後の運用には何人必要?
- 7. まとめ
1.Shopify構築、自社でやるか外注するか?後悔しないための4つの判断軸

自社で進めるか、外注するか。判断を分ける軸は、4つあります。
・体制
・スピード
・費用
・クオリティ
ただし、重要なのは、状況によって4軸の重みが変わること。スピード優先のフェーズなら費用は二の次になりますし、長く運用するつもりなら体制への投資が効いてきます。まずは体制から見ていきます。
1-1. 体制|社内に「構築できる人」はいるか?必要スキルの現実

他のプラットフォームでECサイトを作った経験のある人材。HTMLもCSSにも理解がある優秀なエンジニア。彼ならShopifyも作れる……?
答えは「No」です。
正確には、「作れはするが、まともに運用できるサイトになるかは別の話」。Shopifyの構築は、一般的なWeb制作の延長線上にあるようで、かなり毛色が違います。
まず立ちはだかるのが、Shopify独自の言語「Liquid」。テンプレートは用意されていますが、自社ブランドに合わせた調整をしようとした瞬間、Liquidで修正せざるを得なくなります。HTML・CSSの知識は活きる。でも、Liquidの記法やテーマ構造を理解していないと、「余白を少し詰めたい」だけで丸一日以上作業を要します。
もうひとつが、EC運営の実務知識。業務範囲は、ざっとこれだけ広がります。
・送料の条件設定
・商品ごとの在庫管理
・発送作業の段取り
・決済手段の選定
・問い合わせ対応のルール設計
たとえば送料ひとつでも、購入金額で無料ラインを変える、冷凍と常温で配送方法を分ける、離島は別料金、と条件が重なり出すと、設定画面を眺めるだけで半日が溶ける。こうした「設定に埋もれる時間」が、自社構築の見えにくいコストです。
必要なのは、Liquidを扱える技術力と、EC運営の実務感覚。特に実務感覚は一朝一夕では身につきません。
ひとつの目安は、ECサイトの運用経験が3年以上。これくらいの人材がチームにいれば、手探りの時間はだいぶ減らせます。
社内を見渡して該当者が思い浮かぶかどうか、それが体制面での判断のスタートラインです。
1-2. スピード|公開が1ヶ月遅れると、いくら損するか

公開が1ヶ月ずれた瞬間に、消える売上があります。
月商×遅れた月数。それがそのまま、機会損失の額です。月商50万円で2ヶ月遅れれば100万円。月商300万円なら600万円。外注費を上回る数字になることも珍しくありません。
そして、公開の遅れは自社構築のほうが起きやすい。 その理由を、外注と自社のスケジュール感を並べて見ていきます。
外注の場合:2〜3ヶ月で公開できる
制作会社に依頼すると、Shopifyのサイト構築はおおむね2〜3ヶ月が相場。プロは過去の案件から「どこでつまずくか」「どの作業に何日かかるか」を把握しているので、デザイン・決済設定・配送設定といったタスクを並行で進められます。だからスケジュールが読める。
自社の場合:4〜6ヶ月かかることも珍しくない
自社構築では、こうはいきません。決済設定が終わるまで送料設定に手をつけられない。送料設定を調べている間にテーマの表示崩れに気づいて、そっちを直す。直したはずが別の箇所に影響して、また戻る。タスクが直列でしか進まないうえに、「何がわからないかがわからない」状態。1つの設定に、見積もりの3倍、5倍の時間がかかります。
もし、3ヶ月の差がついて月商見込みが150万円なら、失った売上は450万円。外注費よりはるかに大きい数字です。
判断の起点は、事業計画から「いつまでに公開しないとまずいか」のデッドラインを先に決めること。そこに自社構築の想定スケジュールを重ねたとき、現実的に間に合うかどうかで答えが出ます。デッドラインに余裕があるなら、自社で動く価値はある。逆に「そこまでに公開できないと資金繰りが苦しい」なら、スピードを金で買う判断のほうが事業を守れます。
1-3. 費用|「安く済んだ」は本当か?外注費と人件費のリアル

「自社でやれば外注費がかからない」。たしかに制作会社への支払いはゼロです。
ただし、この計算には見えていない費用が含まれていません。社内の担当者がShopify構築に3ヶ月かかりきりになれば、その人件費はゼロではありません。月給40万円の社員なら、3ヶ月で120万円が動いています。しかもその間、本来の業務は止まっているか、別の誰かが肩代わりしているはずです。
両者を並べて見ます。
自社構築の人件費(月給40万円×3ヶ月):120万円
制作会社への外注費(小規模サイト):100〜150万円
思ったより、差がありません。「外注費ゼロ」のインパクトが大きく見えるのは、裏で動いている人件費が「経費の枠の外」にいるからです。
判断のポイントは、「自社の担当者が構築に何ヶ月かかりそうか」を正直に見積もること。担当者の月給×想定月数に、その間止まる本来業務の影響を加えてから、外注の見積もりと比較します。
「安く済んだ」と思っている自社構築の多くは、この「隠れた費用」を計算していません。机上の見積もりに人件費と機会損失を足してから、外注費と比べる。それが、費用面でフェアな判断をするための最低条件です。
1-4. クオリティ|「とりあえず作る」と「売れる設計」の差

商品ページにアクセスはある。広告も回している、、、
なのに売れない。
この「あと一歩が遠い」状態の原因は、サイトの設計にあることが少なくありません。
少し、ECサイトで買い物する場面を思い出してみます。
商品画像をスワイプしながら「着用イメージ」や「サイズ比較」を確認し、気になったらすぐ下のレビューに目を通して、購入ボタンを押す。
ページの途中には「この商品を買った人はこちらも」のレコメンドが並んでいて、つい別の商品もカートに入れてしまう。
当たり前の体験ですが、これはすべて「売れる設計」が反映された結果です。
・画像の枚数 → 訴求を増やしてCVR(購入率)を高める
・画像の順番 → 離脱を防いで回遊率を高める
・レビューの位置 → 購入前の不安を解消してCVRを高める
・レコメンドの位置 → ついで買いを促してAOV(客単価)を高める
一つひとつが意図を持って配置されています。「とりあえず作った」サイトには、この設計が入っていません。
数字で見ると、ECサイトの購入率は一般的に1〜3% ※1 と言われていますが、設計次第でこの数字は大きく変わります。購入率が1%から2%に上がれば、同じアクセス数でも売上は2倍。広告費の効率も、仕入れ計画も、全部が変わってきます。
この差を、最初から設計で埋めに行くか。まずはテンプレートで始めて、データを見ながら改善していくか。自社のフェーズと予算に合わせてどちらの戦い方を選ぶかで、公開1年後の売上に大きな差がつきます。
※1 Shopify公式:コンバージョン率とは?ECサイトのCVRの計算方法や平均値
https://www.shopify.com/jp/blog/ecommerce-conversion-rate
2.Shopifyを自社で構築するメリット・デメリット

自社構築の最大の魅力は、外注費がまるごと浮くこと。
さらにShopifyはノーコードでも始められるので、「うちでもできそう」という第一印象で検討に入る企業は多いはずです。
ただ、その感触の裏で、見落とされやすいリスクも同時に走り出しています。メリットとデメリットの両面を見てから、自社にフィットするかを判断するのが安全です。
2-1. 自社構築のメリット

Shopify構築の外注費が0円。自社構築の最大のメリットはここです。それに加えて、内製ならではの動きやすさも、立ち上げ期にはかなり有益です。
外注費まるごと、初期投資に回せる
制作会社の構築費用は、一般的に100〜300万円。自社構築なら、この出費がまるごとなくなります。
浮いた予算を広告の初動に回すもよし、商品撮影にプロのカメラマンを入れるもよし。ECサイトを立ち上げたばかりの時期は、限られた予算をどこに使うかがそのまま売上を左右します。構築費を浮かせて、そのぶんを他の施策に回せるのは、自社構築ならではの強みといえます。
社内のペースで、思い立ったら即動ける
Shopifyは、コードを書かなくてもシンプルなストアなら立ち上げられます。テーマを選び、商品を登録し、管理画面から体裁を整える。「まずは最小限で公開して反応を見たい」というフェーズなら、これだけで十分スタートは切れます。
社内にHTML・CSS・Liquidを扱える人材がいれば、テーマのカスタマイズやアプリの入れ替えも自分たちのペースで進められます。立ち上げ期は、テーマや見せ方の変更を週次で試したいタイミングも多いので、外部に依頼せず内製で回せる体制は、打ち手のスピードに直結します。
2-2. 自社構築で見落としがちなデメリット

「その人が辞めたら、どうするか」。
自社構築で意外と見落とされるのが、このリスクです。
例えば、こんなケースです。
サイトを構築した田中さんが、来月末で退職する。
テーマの修正も、アプリの設定も、決済まわりのトラブル対応も、全部田中さんがやってきた。
引き継ぎ資料はない。コードのどこをどう変えたか、田中さん本人にしかわからない、、。
社内でShopifyを扱える人材が限られていると、たった1人の退職でサイトの運営は簡単に立ち行かなくなります。
「それなら外部の保守会社に引き継げばいい」。そう思うかもしれませんが、これが簡単ではありません。引き継ぎが難しいのは、主に2つの理由からです。
① 他社が構築したサイトは、とにかく手を入れづらい
カスタマイズ履歴もアプリの導入経緯も手探りで把握するところから始まるため、エラー1つ直すにも想定の何倍も時間がかかります。
② 社内の別メンバーへの引き継ぎも、現実的ではない
Raboのエンジニアでも、Shopifyを自信を持って構築できると言えるようになるまで150〜200時間はかかっています。専門エンジニアでこれだけかかる言語を、他業務と兼任で習得するのはかなり厳しい。仮に引き継いでも、慣れない担当者の手探りで完成や修正には時間がかかり、人件費はかさみ、クオリティも落ちます。
結果として、担当者の退職をきっかけに保守の引き受け先が見つからず、サイトをゼロから作り直した。そんなケースは実際にあります。
2-3. 自社構築が向いている企業の特徴

ここまでを踏まえると、自社構築がフィットするのは大きく2つのタイプです。
①Liquidを触れるエンジニアが社内にいる企業
② 最低限の環境で、まず売ってみたい企業
①Liquidを触れるエンジニアが社内にいる企業
Liquid・HTML・CSSを扱えるエンジニアが社内にいるなら、自社構築のメリットを最大限に活かせます。ブランドの世界観をサイトの細部まで作り込みたい、アプリを入れ替えながら最適な構成を探りたい。こうした要望も社内で完結できるので、外部に頼むよりスピードもコストも抑えられます。
ただし、特定の1人に依存する体制はいつ崩れてもおかしくありません。複数人で知見を共有し、チームとして回せる状態を目指してください。
②最低限の環境で、まず売ってみたい企業
「商品数はまだ少ない」「複雑な機能はいらない」「とにかく早く出して反応を見たい」。このフェーズなら、Shopifyのノーコード操作だけでも十分スタートできます。テンプレートを選んで商品を登録するだけなので、構築のハードルは低い。外注費ゼロで始められるぶん、初期投資を最小限に抑えたい企業にとっては魅力的な選択肢です。ただし、売上が伸びてきた段階でデザイン改修や機能追加が必要になる可能性は高いので、「その先をどうするか」だけはあらかじめ頭に入れておきましょう。
ここまで見て、ある程度しっかりしたサイトを作りたいけれど社内に対応できる人材がいない、という場合は、外注のほうがフィットする可能性が高いといえます。
3.Shopifyを外注で構築するメリット・デメリット

「外注は高そう」「自社でできる範囲で十分」。
Shopify構築を検討し始めたとき、多くの企業が最初に思い浮かべる感覚です。
しかし、外注すれば、プロの知見をまるごと自社サイトに載せられる。テーマとアプリの相性、決済まわりの落とし穴、売れる商品ページの設計。
自社で何ヶ月もかけて学ぶことを、最初から織り込んだサイトが立ち上がります。
そのぶん費用はかかりますが、何にいくら払って、何が返ってくるのか。具体的に見ていきます。
3-1. 外注のメリット

外注のメリットは完成度・工数ゼロ・トラブル回避。 この3つが、外注費を払う価値です。
ブランドの世界観が、自然に馴染む
制作会社が作ったサイトは、フォント・余白・ボタン位置・画像のトーン、すべてが揃います。逆に、どれか一つズレるだけで、同じサイトページでも「なんか安っぽい」に印象が変わります。
たとえば、日本のECサイトで定番のLINE連携。
Shopifyのテーマにデフォルトのアイコンがないので、自社で追加することになります。
もし、Shopify構築の未経験者が実装すると、どうなるか、、?
アイコンが「ポン」と、浮いてしまうのです。
他はキレイに整っているのに、一箇所だけの小さな違和感。それだけで離脱率に直結します。
「小さいけれど目につく」部分の仕上がりが、サイト全体の印象を左右します。制作会社の技術力があれば、ブランドの世界観を壊さずに機能を追加することが可能です。
構築の工数が、ほぼゼロで済む
構築作業の大半は制作会社側で進みます。自社の対応は、週1〜2回のミーティングと素材提供くらい。
その間、担当者は広告の準備や商品ページの原稿作成など、公開後すぐ必要になる作業に集中できます。構築と「売る準備」を並行できるのは、スケジュール全体で見ると大きな差です。
テーマとアプリの「相性問題」を、プロが先回りで避けてくれる
Shopifyはアプリを追加するだけで機能を拡張できるのが強み。ただし、アプリ単体では正常に動くのに、テーマや他のアプリと組み合わさった瞬間に不具合が出ることがあります。
実際に起きるトラブル例です。
・レビュー機能を追加したら、商品画像の下に不自然な余白が入った
・「カートに入れる」ボタンが、画面の遥か下に追いやられた
・定期購入アプリを入れたら、決済画面でVISAが選べなくなった
テーマのコードが悪いのか、アプリ側の問題なのか、別のアプリとの競合なのか。問題を切り分けて正しく対処するには、Shopifyのテーマ構造とアプリの仕組み、両方の知識が必要です。原因特定だけで半日が溶けて、結局わからないまま翌日に持ち越し、ということも起きます。
その点、制作会社は過去の案件で「このテーマとこのアプリは相性がいい」「この決済はこのアプリと併用すると不具合が出る」という事例を蓄積しています。トラブルの種を先に除いてもらえるので安心です。
3-2. 外注で注意すべきデメリット

外注のデメリットは2つ。費用が発生することと、自分たちのイメージを正確に伝えきれず、仕上がりにギャップが生まれるリスクです。
① 制作費として100〜300万円が必要になる
制作会社への依頼相場は100〜300万円。この金額には要件固めからデザイン・コーディング、公開前の動作確認まで、一式が含まれています。それぞれの工程にデザイナー、コーダー、ディレクターといった専門人材がチームとして携わるので、制作会社に依頼するならこのくらいの費用感になります。ただし、同じ範囲をバラで頼んだ場合と比べると、一括依頼の方が安いというケースも多いです。
② 「いい感じで」の依頼が、いちばん高くつく
もう1つは、伝え方のギャップが追加費用を生むパターンです。「なんとなくおしゃれな感じで」「いい感じにお願いします」。こうした粒度で渡すと、制作会社側も意図を汲み取りきれず、納品後に「思ってたのと違う」という事態になりかねません。修正対応に追加費用が発生したり、やりとりが長引いて公開が遅れたり。本来避けられたはずのコストが膨らむケースもあります。
防ぐコツは、「いい感じ」を「何を・いくらで・いつまでに・どうするか」に翻訳しておくこと。それもできるだけ具体的に。これだけで制作会社は最初の提案から的を絞れますし、納品後のズレはほぼ起きなくなります。
3-3. 外注が向いている企業の特徴

ここまでを踏まえると、外注がフィットするのは大きく分けて2つのタイプです。
①「予算内で、プロの最適解がほしい」企業
②「サイト周りの仕事を、まるごと手放したい」企業
①「予算内で、プロの最適解がほしい」企業
「予算は100万円前後。その中で、機能もデザインも妥協したくない」。こうした考えの企業には、外注がフィットします。
同じ100万円でも、使い方次第で仕上がりは大きく変わります。テーマ選定ひとつとっても、無料テーマで十分なケースもあれば、有料テーマを入れてカスタマイズを抑えたほうがトータルで安くなるケースもある。こうした判断は、何十件ものShopify構築を経験していないと難しいものです。
自社で手探りに進めると、予算の大半がテーマの試行錯誤やアプリの入れ替えに消えてしまうことも。制作会社なら、同じ予算をどこに集中させれば最も効果が出るかを逆算して提案してくれます。結果、使いやすさ・見栄え・拡張性までバランスの取れたサイトに仕上がりやすくなります。
②「サイト周りの仕事を、まるごと手放したい」企業
ECサイトは、公開してからが本番です。広告を回し、商品ページを改善し、リピーターを増やす。立ち上げ直後の半年は、このサイクルをどれだけ早く回せるかで売上の立ち上がりが決まります。
公開後の保守・運用も、制作会社にそのまま継続で任せるのが一般的です。Shopifyは管理画面や決済まわりの仕様が定期的にアップデートされますが、経験のある制作会社ならこうした変更をいち早くキャッチして対応してくれます。自社で追いかけると調査だけで半日かかるような変更も、プロにお任せすれば自社の対応時間は0時間です。
空いた時間で、広告のクリエイティブを1本多くテストできる。商品ページのレビュー返信を丁寧に書ける。こうした「売上に効く仕事」に手が届くようになるのが、保守を外に出す本当の価値です。
4.「まず自社で試して、ダメなら外注」はコストが2倍

制作会社への依頼は、すべて同じ工程で進むわけではありません。「ゼロから新規で作る」場合と「途中から引き継ぐ」場合では、構築に入る前の作業量がまるで違います。
ゼロから依頼した場合の工程はシンプルです。
1. ヒアリング
2. 要件定義
3. 設計
4. 構築
5. テスト
6. 公開
すべて制作会社のフローに沿って進むので、各工程の工数も読みやすいです。
一方、途中から引き継ぐ場合は、構築の前に「解読」の工程が挟まります。
1. 既存テーマのコード解読
2. アプリ構成の把握
3. カスタマイズ履歴の調査
4. 不具合の洗い出し
5. 方針決定
6. ヒアリング〜(ここから本来の構築作業)
他人が途中まで組んだサイトは、どこをどう変えたのか、なぜそのアプリを入れたのか、外からは見えません。この「解読」だけで数十時間かかることもあり、場合によっては最初から作り直したほうが早いと判断されるケースすらあります。
「まず試してみる」こと自体は、悪い判断ではありません。ただ、試すなら撤退ラインを先に決めておくのが安全です。
たとえば「2週間やって、送料設定まで自力で完了できなければ外注に切り替える」。期間と到達点をあらかじめ決めておけば、損失が膨らみきる前に方向転換できます。
5.外注するなら誰に頼む?構築費用がムダにならない選び方

外注すると決めたら、次の問いは「誰に頼むか」。
結論、Shopifyパートナープログラムに認定された制作会社が最も堅実です。
フリーランスという選択肢もありますが、音信不通、品質のばらつき、公開後のサポート不在。こうしたリスクを自分で管理しなければなりません。認定パートナーなら、そのリスクが組織の仕組みで抑えられています。
ここから、フリーランスとの具体的な違い、パートナーのランク制度、見積もり時の確認ポイントまで順に見ていきます。
5-1. 安さのフリーランス、品質の制作会社

「フリーランスは50万円、制作会社は200万円。4倍差なら、フリーランス一択では?」。金額だけ並べると、そう思うのは当然です。ただ、この2つは「同じ作業を安く買えるか」の比較ではありません。そもそも届くものが違います。
フリーランスは基本1人で対応。デザインもコーディングもディレクションも同じ人です。得意分野にハマればスピードもコスパも抜群ですが、対応範囲はその人のスキルセット次第。「デザインは強いがShopifyの決済設定は不慣れ」といった偏りが出ることもあります。
制作会社は、デザイナー・エンジニア・ディレクターがチームで動きます。複雑な要件や、公開後の保守まで含めた長期運用を組めるのが強み。そのぶん、人件費と管理コストが価格に乗ります。
| 項目 | フリーランス | 制作会社 |
|---|---|---|
| 費用目安 | 50万円〜 | 100万円〜 |
| 体制 | 1人で対応 | デザイナー・エンジニア・ディレクターのチーム |
| 得意領域 | 特定分野に強い(個人のスキル次第) | 幅広い要件に対応可能 |
| 対応範囲 | スキルセットに依存、偏りが出やすい | デザイン〜決済設定〜保守まで一貫 |
| スピード | 1か月~3か月 | 2か月~3か月 |
| 長期運用・保守 | 個人の稼働次第で不安定 | 契約ベースで安定 |
どちらが「正解」という話ではありません。テンプレートベースで早く出したいならフリーランスの機動力が活きる。デザインの作り込みや複雑な設定が必要なら、チーム体制の制作会社が向きます。
判断基準は「自社が求める仕上がりに、その金額で届くか」。迷うなら、まず制作会社で基準となる見積もりを取っておくと比較がしやすくなります。
5-2. フリーランスへの依頼で実際に起きた3つのトラブル

Raboに届く相談のうち、フリーランスからの「乗り換え」案件は一定数あります。共通するのは、最初の見積もりより最終的な出費が膨らんでいること。よくある3つのパターンを紹介します。
① 途中で連絡がつかなくなった
例えば、こんなケースです。
デザインカンプまでは順調だった。
修正依頼を送って、返信を待つ。3日経っても返事がない。
1週間後、もう一度連絡。既読はつくが返信はない。
結局そのまま2週間。プロジェクトは完全に止まり、別の依頼先をゼロから探すことに、、、
個人で活動している以上、体調不良やキャパオーバーで連絡が途絶えるリスクは構造的にゼロにできません。制作会社なら、担当者が抜けてもチーム内で引き継げます。納期があるプロジェクトほど、この差は大きく効いてきます。
② 納品物のクオリティが想定以下だった
制作会社には通常、ディレクターやリードエンジニアによるレビュー工程があります。第三者の目でチェックしてから納品される仕組み。フリーランスの場合、この工程がありません。作った本人がチェックして、そのまま納品。
完成品を見てから「これでは使えない」と気づけば、やり直しか、別の制作者への頼み直し。どちらにしても追加の費用と時間が発生します。
③ 公開後のサポートが「範囲外」だった
サイトは無事に公開できた。ところが翌月、Shopifyの仕様変更で決済画面にエラーが出た。
構築担当者に連絡すると、
「構築は完了しているので、保守は契約に含まれていません。」
構築と保守を分けるのは、フリーランスにとって当然の線引き。ただ、依頼する側にはその前提が見えにくいのが実態です。
すべてのフリーランスにこうしたリスクがあるわけではありません。ただ、制作会社と比べて「個人の力量や姿勢に依存する度合いが大きい」のは事実。依頼するなら、過去の実績やレビューの確認、契約書でのサポート範囲の明文化が安全策になります。
5-3. 迷ったら公式認定された【Shopifyパートナー】

Shopifyには、公式の認定制度「Shopifyパートナープログラム」があります。2025年にグローバル基準で刷新され、制作会社やコンサルタント向けのランクはRegistered・Select・Plus・Premier・Platinumの5段階。上位ランクほど、Shopifyが定める構築実績や売上貢献の基準が厳しくなります。
依頼先を選ぶとき、このランクはひとつの判断材料になります。Select以上のパートナーであれば、Shopify側が「一定水準の実績と専門性がある」と認めた企業 ※2として安心です。判断材料のひとつとして押さえておく価値があります。
※2 Shopify公式:Shopify パートナープログラムについて
https://help.shopify.com/ja/partners/partner-program/about
5-4. 見積もり時に確認すべきポイント

見積書を受け取ったとき、つい最初に目がいくのは合計金額。ただ、金額の大小より「何が含まれていて、何が含まれていないか」のほうが、あとからの満足度を左右します。確認しておきたいのは5つ。
① 見積もりの内訳
何にいくらかかっているのか、しっかりと把握しましょう。「Shopify構築一式:150万円」だけでは、デザイン・コーディング・アプリ設定のどこにいくらかかっているかが見えません。作業項目ごとに金額が分かれていれば、「ここは自社でやるから削れますか」といった交渉もしやすくなります。
② 修正対応の回数と範囲
修正は何回まで無料か、大幅な変更はどこから追加費用になるのか。対応範囲と回数を明確にしておきます。この線引きが曖昧だと、納品後に「思っていたのと違う→修正→追加費用」のループに入りやすい。書面で確認しておくのが鉄則です。
③ 保守・サポート体制
公開後もエラー対応やShopifyの仕様変更への追従が発生します。月額保守に含まれるのか、都度見積もりなのか。含まれる場合は月に何時間分なのか。保守の範囲と費用感はセットで確認するのが安全です。
④ 納品後のデータと管理権限
見落としがちなのが、サイトの管理者権限やコード・デザインデータの所有権。制作会社が管理者権限を保持したまま、というケースもあります。将来の依頼先変更も見越して、「納品後に自社ですべてコントロールできる状態になるか」は必ず押さえておきたいポイントです。
⑤ 担当者との相性
見積もり段階のやりとりは、そのまま構築中のコミュニケーション品質の予告編です。打ち合わせで意図をすぐ汲み取ってくれるか。レスポンスは早いか。専門用語を使わず説明してくれるか。金額や条件が近い候補が複数あるなら、「この人と進めやすそうだ」と感じた相手を選ぶのが結果的にうまくいきます。
6.よくある質問

6-1. Shopify構築を外注すると、費用はいくらかかる?
外注費用は、サイトの規模や要件によって大きく変わりますが、制作会社に依頼する場合のおおよその目安は以下の通りです。
テンプレート活用のシンプルなサイト:100万〜150万円前後
オリジナルデザインを含む中規模サイト:150万〜300万円前後
フルカスタマイズの大規模サイト:300万円以上
なお、これらの初期費用に加えて、Shopifyの月額利用料やアプリ利用料などのランニングコストも別途発生します。1-3で解説した通り、費用を検討する際は、初期費用だけでなく、運用も含めたトータルでの費用対効果を見ることが重要です。
6-2. 構築にはどれくらいの期間がかかる?
こちらもサイトの規模によりますが、テンプレートベースのシンプルな構築であれば1ヶ月〜2か月程度、オリジナルデザインや複数のアプリ連携を含む場合は2〜3ヶ月程度が一般的です。要件定義やデザインの確認で手戻りが発生すると、さらに期間が延びることもあります。1-2で触れたように、公開の遅れはそのままコスト増につながるため、事前に明確なスケジュールをすり合わせておくことが重要です。
6-3. 公開後の運用には何人必要?
最低限であれば1名でも運用は可能ですが、業務内容によって必要な人数は変わります。商品の登録・更新、受注管理、カスタマー対応、SNSやメルマガなどの集客施策まで含めると、小規模なストアでも1〜2名、売上が拡大してくると3名以上必要になることも珍しくありません。運用の負荷を抑えたい場合は、一般的な保守対応に加えて、運用面まで支援してもらえるかを事前に確認しておくと安心です。
7.まとめ

Shopify構築の「自社 vs 外注」に、最初から決まった答えはありません。
急いでスタートを切りたい、社内にShopifyを扱える人材がいる。ここが揃っているなら、自社構築は十分選択肢に入ります。
一方で、公開後の運用までまるごと任せて本業に集中したい、あるいは最初から「売れる設計」のサイトで立ち上げたい。そう考えるなら、外注の価値は費用を上回ります。
どちらを選ぶにしても、動き出す前に一度、プロに相談してみてください。「自社でいけるのか、外注すべきか」の整理段階からでも、話してみると見えてくることがあります。
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